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□結 6話
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大学の入口から駅へはほとんど直結していて、歩いてすぐだ。ちょうど5限目を終えた頃なのでホームはうちの大学生で溢れていた。



「めっちゃ人多い」
『な〜。通学でこれは無理やわ』
「ですね、徒歩の勝ちです」
『何の勝負やねん』



彩さんと軽口を叩いていると列車がやって来た。人の流れに沿って何とか乗り込むけれど、これが東京の満員電車か。人口密度が百を越えてるんじゃないかってくらい窮屈。必然的に彩さんとすごく密着することになるけれど、彩さんの小柄さに改めて驚く。踊っている彩さんはその華奢さを感じさせない程にダイナミックだし、普段もその貫禄からかあまり小さく感じない。彩さんが潰れちゃわないように守らないと、そんな気持ちになった。




「彩さん、こっち」
『え?大丈夫やで?』
「彩さん潰れちゃう」
『潰れへんって』
「私の中にいてください」
『えー?へへ、ありがとぉ』



隣にいた彩さんをドア側に寄せて、覆い被さるようにして自分の腕をつく。



『…なんか、壁ドンされてるみたいやな』
「…え?!いやそんなつもりは」
『……ありがと、ゆーりちゃん』


彩さんが私の目を見ながら少しはにかんだ様に笑う。至近距離で、上から見下ろしているので必然的に上目遣いになる彩さんのその表情は、心臓を射抜かれたと錯覚するくらい、可愛らしかった。そんな体勢のまま、何となく特に会話をするでもなく数分電車に揺られ、目的の駅に着いた。
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