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□結 2話
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その日は朱里さん以外の方々も優しく話しかけてくれて、ダンスがどうのとかいう不安よりは、この人達の輪に入り何かが共に作れたらそれはとても楽しいだろうな、と単純に思った。城と共に入部する旨を告げるなどしていると、会は終わりを迎えた。






「じゃあこれで、今年の新入生歓迎会はお終いでーす!解散!」
「朱里、幹事ありがと〜!」
「いえいえ〜!新入生のみんな、ぜひ入ってね〜」






幹事だったらしい朱里さんの言葉でお開きとなった。お店を出て、ここへ来る時に乗った路線の駅へ向かいながら、スマートフォンを開き最寄り駅までの電車の時刻を調べようとしていると、後ろから声を掛けられた。







『夢莉ちゃん、やっけ?夢莉ちゃんもこの路線なん?』
「山本先輩…」
『はは、彩でいいよ』
「彩さん。はい、こっちです」
『そうなんや、珍しいな。』
「そうですか?大学のそばに住んでます」
『私もやで。いや、大学の場所が田舎すぎて、みんな少し離れたところに住んでるんよ』
「ああ、たしかに…周りに何も無いですもんね」
『私は落ち着いてて好きなんやけどな』
「私もです」
『そうやんな、一緒に帰ってもいい?』
「え、そんな、逆に、お願いします」






雲の上の人であるようなその人と二人きりになる空間に戸惑ったけれど、同時に、早々に現れたその機会に胸が高鳴った。
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