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□結 12話
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「じゃあ、おやすみなさい」





灯を消して眠ろうとする。すぐに眠りに落ちる自信は到底無かったけれど、壁際ぎりぎりに寄って、彩さんに背を向けて、形式上目を瞑る。シングルベッドって、意外と二人でもイケるんやな、なんて発見。


『なんでそんな離れてんの』
「いや、彩さんが狭くなるので。気にしないでください」
『そんなんも楽しいやん。お泊まりなんて久しぶりやなぁ』
「…あまりしないですか?」
『んーやっぱり一年生の頃とかはしてたけど』
「あー」
『最初はみんな、一人暮らしにテンション上がって』
「確かにそうかもですね」
『最近はもう滅多にないなぁ』
「そういうもんなんですね」
『だからなんか嬉しいな。楽しい』
「そう言って頂けるなら良かったです」
『夢莉ちゃんはほんま硬いなぁ。もう少し気遣わんでええんやで?』
「いや、そんな彩さんみたいな人に無理ですよ」
『あんまりそう思わんとってほしいなぁ。もっと仲良くなりたいし。』
「……ありがとうございます。彩さんにそう言って頂けるなんて」
『彩さんって言うのもやめてほしい』
「ええ、じゃあなんとお呼びすれば」
『彩ちゃん?』
「かわいい。でもたぶん無理です。」
『何でやねん。じゃあ私は夢莉って呼ぼうかな』
「それは大歓迎です」
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