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□結 7話
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彩さんとレッスン着を買いに行った週の金曜日。今日からついにαの一員として初めて練習に参加する。練習を開始する前に、一年生はα内で三つに分かれている、自分の所属するチームを発表されることになっていた。彩さんから頂いたレッスン着に着替えて、体育施設の集まる棟の一つのダンスルームに集合する。



城とそこへ入ると、彩さんは既に来ていて朱里さん達と資料を持ちながら真剣な眼差しで話していた。


「あれ、彩さんと夢莉のジャージ色違いじゃない?」


案外と目敏い城がすぐに気付く。


「…ほんまやな、たまたまやわ」
「彩さんとお揃いとか、いいなぁ夢莉」
「な、たまたまな」


城がピュアな笑顔で羨んでくる。何だか本当のことは言わない方がいい気がして下手くそに誤魔化したけど、目敏い割には何の疑りもそこに抱かない様子だった。ありがとう、友よ。



『じゃあ時間になったので始めまーす』


彩さんが手を叩いて集合の合図をする。



『今日はまずチームの振り分けから発表するな。じゃあリーダーから呼ぶので。』


そう言って朱里さんと紗英さんも前に出る。まず彩さんから一人ずつ名前が呼ばれる。別にただのチーム分けなのだけれど、謎の緊張感が走る。



『じゃあチームAの最後のメンバーは、夢莉ちゃん。』
「はい、お願いします」



何となく彩さんに呼んでもらえるのではないかと期待していたから、名前を呼ばれてホッとする。期待していたのは単純に自分が可愛い系でも色気担当でも無いからなのだけれど。でもこれでまた、彩さんと共にいられる時間が増える、と思うと頬が緩んだ。ちなみに城は、朱里さんのチームだった。
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