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□結 6話
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レッスン着の買い物を終えた後、彩さんと他のお店も回ったりして、ウィンドウショッピングをした。彩さんは何でも似合うから、お洋服が好きな私にとっては一層楽しい時間だった。



『夢莉ちゃんってお洒落よなぁ』
「大体古着ですよ」
『古着ってのがもうおしゃやん』
「そうですかね?アメ村とかで買ってました」
『懐いな、その地名』
「でもこっちに来たら、よく分からなくて」
『私も知らんけど…下北沢とかかなぁ』
「あー、行ってみたいですね」




そんな話をしているとレストラン街に入っていて、お腹空いたなぁなんて私が呟くと彩さんがおすすめのオムライス屋さんに案内してくれた。



『ここのオムライスがな、めっちゃ美味しいねん!』


そう言ってオムライスについて力説する彩さんは子どもみたいで可愛い。運ばれてきたオムライスは確かに、絶対に家では再現出来なさそうなふわふわ感と、とろとろ感に溢れていた。上にかかっているのはケチャップではなくてデミグラスソース。



「…!めっちゃ美味しいです」
『やろ?もう大好きやねん』
「絶対家では作れんなぁ」
『夢莉ちゃん料理するん?』
「まあ、まだ慣れないですけど。」
『えぇ、えらいなぁ』
「彩さんはしないですか?」
『あんまりやな、面倒臭くて。』
「私も簡単なものだけですよ」
『ふーん。じゃあ今度何か作ってな?』
「え、いいんですか?」
『いいんですかって何やねん』
「いや、はい。作ります。今日のお礼もさせてください」
『うん、楽しみにしてる』



このオムライスを越えるものは作れないですけど、と心の中で呟いて、満足気にそれを口に運ぶ彩さんを見ながら、次のその約束へと心を弾ませた。


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