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□結 5話
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彩さんから初めてLINEが来て数日経ってからも、なんとなく会話が続いていた。彩さんは忙しい人だからすぐに返事がくるわけではないけれど、途切れない彩さんとの繋がりを嬉しく思っていた。





城とお昼ご飯を学食で食べてから、文学部共通である授業が行われる大教室へと向かう。大教室は部屋全体が大きな階段上になっていて、そこに席が作られている構造の講義室だ。真ん中よりも後ろが良い、と城がいうのでその辺りに座って始業を待つ。




「この授業、よく分かんないんよね」
「一般教養やろ。生きていく上に必要やで」
「夢莉は真面目やもんな。私は眠くなってまう」






『城ちゃん、寝たらあかんで〜』




急に彩さんの声が上から降ってきた。





「彩さん!あ、文学部で一緒やからかぁ!」
『うん、後ろ座ってもいい?』
「もちろんです!どうぞどうぞ」




城が仔犬の様に嬉しそうな顔をして彩さんに返事をすると、彩さんがお友達と一緒に私達の後ろに座った。同じ学科のご友人だろうか、お友達まで綺麗で美しかった。軽く会釈をして、類は友を呼ぶんやなぁなんて前を向き直してスマホを見たら、1分程前に彩さんから来ていたLINEに気付く。




「夢莉ちゃん見っけ」





思わずスマホを片手に後ろを振り向く。彩さんが気付いて、何を言うでもなくニッと口角をあげた。そんな彩さんの行動に心を揺らされていると、少し禿げた教授が入ってきて、始業の合図を告げる鐘が聞こえる。その鐘が鳴り終わるまでに、彩さんへの返事を打った。



「見つかっちゃいました」
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