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□結 3話
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新歓コンパがあった数日後、同じく入部を決めた城と一緒に、αへの入部届を書くためにサークル室へ向かった。私の学部棟の隣にある建物が、全てのサークルの部屋が集まるサークル棟、となっている。


初めて足を踏み入れるその建物に少しの緊張を覚えながら、サークル室の部屋を開けた。




「あっ、夢莉ちゃんと城ちゃんやん!」
「こんにちは、あの、入部届書きに来ました」
「やった〜二人ともありがとぉ。座って座って。」




先日会った朱里さんが書類を出してくれて、城と一緒に記入する。
改めて、朱里さんがαについての説明をしてくれる。αの披露するダンスでは、全員で踊る曲、サークル員を三つのグループに分けて踊る曲、代表ら幹部の方々がメンバーを選抜して踊る曲、といった分類があるとのこと。活動日は基本的に毎週金曜日の夜で、月に一回は全員が現状の報告や今後の活動予定を話す定例会がある。それ以外は各々が自主練をしたり、しなかったりと、そんな感じだった。取り急ぎ直近で目指すのは夏前にある他大学のダンスサークルとの合同イベントだそう。





『へ〜夢莉ちゃん、文学部なんや』

書類に自分の個人情報をつらつらと書いていると、後ろのドアからひょこっと彩さんが姿を現した。




「お〜さや姉お疲れ〜!二人ゲットやで!」
『夢莉ちゃんは入ってくれるって言ってたもんな』



そう言って彩さんが私に笑いかける。私との会話を覚えてくれていたようで嬉しい。




「そういえばさや姉も文学部やんな」
『そうそう、夢莉ちゃんは、何学科?』
「えっと、英語学科です」
『へ〜かっこい!英語話せるんや』
「話せません…話せるようになりたくて」
『はは、今からやんな。一年生やし』
「さや姉は何学科やっけ?」
『私は国文科』
「なんか似合いますね」
『そう?』



黒髪に清楚な感じが日本の言葉や歴史を深く学ぶその専攻に合うな、と率直に思った。彩さんって、使う言葉まで綺麗な感じがするし。ちなみに朱里さんも文学部で、学科はフランス語らしい。それもそれで、「ぽいなぁ」と頷きしかなかった。
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