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□充電
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『さ、さやかちゃ…うわっ!』

名前を言い終わる前に私の首に手を回して飛びついて来た小さな身体。あれ、こんなに軽くて細かったっけな…
そんな失礼なことを考えながら
『ど、どうしたの?大丈夫?』

その華奢な身体を確かめるように手を回し、宥めるように問いかける。



「…じゅーでんっ」

?????私の首に埋もれたまま小声で何かを呟いた。

じゅーでん…充電!?ええと、この可愛い人はどこまで可愛いのだろうか。

やっと思考が追いついた私は何も言えずに抱きしめたまま固まっていると
「へへっ!充電!これであと1ヶ月は持つで!」
『…ど、どうも』
ムードのかけらもない気の利かない返しにあはっと猫のヒゲを見せて笑う世界で一番可愛くて愛おしい人。ああ…好きだなあ。



私の方こそ充電していかなきゃ。

そう思って可愛く笑った唇にチュっとしたら真っ赤な顔でキョトンと見上げてくる6個上の愛おしい人。



一瞬で充電が完了した。


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