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□声掛けシリーズ〜20.04.20
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日の暮れた公園で聞いてみる。
「ねぇ、寿」
「なんだ」
「私のこと好き?」
バスケットボールを持ったままこちらを見据えて、
「あぁ、好きだ」
と素直な一言。
「だから将来困らねぇように、俺は推薦とる」
何もない空中を目掛け、見惚れるほどに美しいフォームでシュートを投げる。
綺麗な放物線を描いて落ちたボールを拾いにいく。
「バスケできちんと大学入って、お前と暮らす。それが今の俺の夢だ」
言った後に恥ずかしくなったのか、頭を掻きながら下を向く。
「お前にその気があったら…だけどよ…」

「おら、もう帰っぞ。家まで俺が送ってやる」





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