花園

□届かぬ手
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彼女との出会いは雄英の裏庭だった。
出久「君は?」
ゴミを出す為にそこを通ると透けるような白色の肌で美しい君にあった。
「こんばんわ、緑谷出久くん」
笑顔も可愛くて一目惚れだった。
ヒーロー科で見たことないから他の科の子なのだと思った。
「私は早苗、君とお話ししたくてここに来たんだ」
その言葉が嬉しかった。
僕は早苗に会いたくてその日から毎日決まった時間に彼女に会いに行った。
「かっちゃんって子面白いわね」
出久「爆破されるから面白いではすまないけどね」
「それもそうか!ごめんね」
いつも僕の話を聞いてもらう。
早苗はあまり自分の話をしない。
僕が聞いてもいつもはぐらかされる。
「出久…一つ聞いていい?」
あの時は珍しく早苗から質問がきた。
出久「ん?何?」
「もし…私がヴィランだとしたら…出久はどうする?」
早苗の質問の意図を僕は理解できなかった。
でも、もし本当に早苗がヴィランなら…
出久「助ける…本当にヴィランなら何か理由があると思うし…僕は」
早苗は人差し指で僕の言葉を止める。
「ありがとう、それだけ聞けたら充分だよ」
その言葉を最後に早苗と会えなくなった。
そして、次に彼女に会った時に質問の意図を理解した…
出久「こういう…事だったんだね…」
雄英を襲撃してきたメンバーに早苗が居た。
出久「早苗‼僕の手を取って‼今なら君を」
「ダメだよ…出久…家族を捨てることは出来ない…いくらターゲットだったといえ愛してしまった貴方の言葉でも…」
早苗は僕に背中を向ける。
その背中に今の僕ができることは…
出久「絶対!助けに行くから‼迎えに行くから待ってて‼‼」
早苗はこちらをむかずに退散していく。



「ずっと待ってるから…出久」






END
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