明日への扉

□6話
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紹介したいやつがいるから博士の家に来てくれ。
コナンくんからそう連絡が来て、私は今博士の家の前に立っている。

ーー紹介したい人ってどんな人だろう…

そんなことを考えながら呼び鈴を押す。

博「おお、ヒロインくん。来たな」

出てきた博士の反応をみると、どうやらコナンくんから私が来ることを聞いていたようだ。

『こんにちは、博士』

挨拶をして前を歩く博士について家の奥に入るとコナンくんの姿が目に入る。

ーーなんだ。コナンくんも来てたのか

もちろんコナンくんが日時、場所を指定してきたため、私が今日この時間にこの場所に来ることを知っていたのだが…

それにしても…
キョロキョロ見渡してもコナンくんと博士以外に人影はない。

コ「よぉヒロイン」

『コナンくん、こんにちは。
ねえ…紹介したい人って?』

「こんにちは」

背後から落ち着いた女性の声がし、振り返るとそこにはコナンくんと同じ歳くらいの女の子が立っていた。声の落ち着き方から大人の女性だと思ったから少し驚いてしまう。

『…コナンくん。紹介したい人って、この子?』

コ「ああ」

動揺を抑えつつ、コナンくんに確認を取る。この子を紹介したかった意図はわからないまま、私は女の子に向き直り、屈んで目線を合わせ、笑顔で自己紹介をする。

『私は〇〇ヒロイン。よろしくね!』

「私は灰原哀。話しは工藤くんから聞いてるわ」


ーーそうかー。新一からー。じゃあ、この子は新一の知り合いなんだ。
……え?待って!今工藤くんって言った!?工藤くんって新一のことだよね??それってつまりコナンくんのことだよね??

どう言うこと??と助けを求める視線をコナンくんに送る。

コ「あぁ。灰原は黒ずくめの組織で薬の研究をしていたんだ。俺が飲まされた薬、APTX4869の製造にも関わっていたらしい」

『え!?そうなの!?じゃあ、哀ちゃんも新一と同じ…!?それじゃあ、お父さんとお母さんのことも…』

哀「ええ。薬で幼児化したの。
組織にいた頃、あなたのことはご両親からよく聞いていたわ」

その言葉にある時母が話していたことを思い出す。

『…あなた…もしかして、…宮野志保ちゃん?』

哀「ええ」

『ほんと!?前にお母さんから、職場の宮野志保ちゃんって子が、ヒロインよりひとつ年下だけどとても優秀なんだって話しを聞いてて。実は、会ってみたいなって思ってたの!
会えてうれしい!
…あの!私のこと呼び捨てで呼んでくれない?あなたと友達になりたいの!』

哀「ありがとう、ヒロイン。私も志保でいいわよ。もちろんふたりの時だけだけど」

『ふふっ。
うん!志保。改めてよろしくね』

新しい友達ができてうれしくなる。
その後は時を忘れて、志保にお父さんとお母さんの話しをしたり、他愛のない話しをしたりして過ごした。



そんなふたりの様子を少し離れたところから和やかにコナンくんと博士が見守っていたのだった…




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