・Sweet Smell
□第3話
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まさか、飲みに行ったお店で山本さんに会うと思わず驚きで声をかけてしまった
『仕事終わりですか?』
「そうなんです。同期と一緒に」
『そうだったんですか』
「太田さんは?」
『僕も仕事終わりに飲みに来ました。1人で笑』
「そうだったんですね笑」
『あ、引き止めてすみませんでした』
「いえいえ、失礼します」
そう言うと山本さんはレジの方に向かった。同期って女性かな…もしかしたら男性の可能性もあるからな…
カウンターに座りビールを飲む気にはならなくチューハイを飲むことにし、注文をした
「もぉ、朱里ちゃんと歩いて」
「歩いてるぅ〜」
「歩けてへんから…」
山本さんの声が聞こえ声のするほうを向くと山本さんより背の高い女性を抱え歩いてきた。背の高い女性は飲みすぎたのか足元がフラフラしている。
『大丈夫ですか?』
「え、あ、太田さん。大丈夫です。すみません」
「誰ー?あ、あのイケメンさんや!」
「ちょ、朱里黙っといて」
『手伝いましょうか…?』
酔っていてフラフラの女性を山本さんが送るには大変だろうと思い手伝おうかと聞いてしまった。
その言葉に山本さんは
「いや、大丈夫です。太田さんに迷惑かかります。」
「なんで〜よ〜イケメンさんに送られたい〜!!」
「朱里ホンマに黙って」
『迷惑だなんて思ってないので送らせてください』
「やったーー!!」
「ほんまにいいんですか?」
『はい、タクシーですか?』
「そうです」
『店の前に来てもらうように電話しますね』
「ありがとうございます」