・Sweet Smell
□第1話
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あの日、僕はあなたの甘い匂いに釣られました
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僕は、4月に社会人になったばかりの新米雑誌記者で、今日は先輩と一緒に雑誌の連載を始める調香師の元を訪れる予定だ
(名刺の渡し方ちゃんと出来るよな?)
『はい、完璧です』
(よし、じゃあ行こう)
先輩とタクシーに乗り移動している間に今日訪れる調香師の人はどんな人なのかを想像していた
僕の中での調香師のイメージは男性なんだけど…もしかしたら、女性の可能性もあるのかな…なんて考えていたら到着したようだった
『うわ…すごい…』
取材する調香師さんは高く大っきくて綺麗なビルにいるらしい
(何やってんねん、早く行くで)
『あ、すみません!』
ビルの大きさに驚いていると先輩に少し怒られた
エントランスを抜け調香師さんがいる10階までやってきた