名探偵コナン
□第6話
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「何かあったらいつでも呼んでくれ。」
降谷に大学まで送ってもらい、別れ際に連絡先を交換した。
車の中ではたくさん話をし、なんとか『零さん。』と呼べるようになった。
これから毎日のように大学に送ってくれるのだろうか。
申し訳ないと思う反面、嬉しく思っている自分がいる。
『(零さんとまた話せる。)』
私は自然と顔が綻びた。
端から見たら、ニヤニヤしているかもしれない。
降谷は、幼い頃、兄の後ろをついて回っていた私とよく遊んでくれた。
子ども心に年上の彼に思いを寄せていたものだ。
兄が音信不通になる前、久しぶりに会った降谷は大人びていて、私は変わらず彼が好きだった。
今でもそうだ。
『(やっぱりカッコいいなー。)』
「真里ー!さっきの車のイケメン誰!?」
私が幸せな気持ちで歩いていたら、向かい側から友人の柚葉が走ってきた。
彼女は面白いものを見つけたみたいに目がキラキラと輝いている。
柚葉は私の両肩をガシッとつかみ、私につめよる。
「チョーイケメンじゃない!なに!?彼氏できたの??」
『ち、違うよ!あの人は、私のお兄ちゃんの友達なの!』
「そのお友達が、なんで真里を車で送ってきてるの!?」
あやしいと疑いの目を私に向けてくる。
『それは……。』
「それは?」
冷や汗が流れる。
『あの人は私の「真里さん、柚葉さん。」』
「沖矢さん!」
私が困っているところに、沖矢さんが通りかかった。
「楽しそうですね。」
「恋ばな中です♪真里ったら、男の人に車で送ってもらってきたんですよ!」
「ほぉー。それは興味があります。」
『沖矢さんまで!』
「真里!観念しなさい!」
『あっ、そろそろ講義が始まっちゃう!私先に行くね!』
逃げるが勝ち!私は全力でその場から走った。
「もぅー真里ったら。」
「青春ですね。」
「そうね。学校生活を楽しんでくれて嬉しいわ。それより――――。」
柚葉の顔つきが変わる。
「ベルモットが真里に接触したそうよ。」
「ああ、聞いている。降谷君も動いてくれているが、君も引き続き真里の周辺を見張っていてくれ。」
「わかったわ。」
柚葉は踵を返し、真里の後を追った。