短編
□ハロウィン(安室、バーボン、降谷夢)
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安室ver.
『安室さん!』
「ん?どうしたん『トリックオアトリート!お菓子くれないとイタズラしちゃうぞ!』
私は目を輝かせて両手を安室の方に出す。
安室は微笑ましく私を見ながら、袋を取り出した。
「はい、お菓子です。」
『ありがとうございます!』
私は安室からお菓子をもらえることを見越しており、遠慮なく袋を受け取った。
袋は可愛くラッピングされている。
「開けてみてください。」
私は言われるまま袋を開けた。
『あっ!カボチャのクッキー!』
袋の中には、かぼちゃの形をしたクッキーが入っており、ほのかにかぼちゃの良い香りがした。
『早速ですが、食べて良いですか?』
「どうぞ。」
『それじゃあ、1つ。』
私はかぼちゃクッキーを食べる。
『美味しい!』
さすが安室透。
かぼちゃの風味が口の中に広がり、ほどよい甘さがあって美味しい。
「あなたのその笑顔が見れて、僕も嬉しいです。それじゃああなたも、トリックオアトリート。」
『っ!(もらうことばかり考えてて何も用意してない!)』
私は手元を見て、クッキーを安室の口許へ持っていく。
『いただきものですが、あーんしてください。』
安室は口を開けて、私の持つクッキーをペロリと食べる。
「なんであなたが赤くなってるんですか。」
『だって、なんか恥ずかしい。』
「本当に可愛いですね。」
安室は私をぎゅっと抱き締めた。
───君が笑ってくれる、そのためなら
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バーボンver.
『バーボン!トリックオアトリート!』
私は目を輝かせてバーボンに両手を差し出す。
「僕に言うなんて、良い度胸ですね。」
私はバーボンから嫌な空気を感じ取り、後ずさる。
「イタズラ出来るならしてみてください。遠慮なく仕返しさせてもらいますよ。」
『ちょっ!』
バーボンは私を捕まえ、くすぐり始める。
『私ッ、何もしてないってばー!』
───君があまりにも可愛くてイタズラしたくなる
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降谷ver.
『零さん!トリックオアトリート!』
私は目を輝かせて降谷に両手を差し出す。
「ほぉー。あいにく僕はお菓子を持ち合わせていない。いったい、どんなイタズラをしてくれるんだ?」
『えっ!えっと……。』
お菓子を用意しているところを見ていた私は、てっきり降谷からお菓子がもらえるものだと思ってイタズラをするつもりはなかった。
だから必死にイタズラの内容を考える。
『零さん、目を閉じてください!』
降谷は言う通りに目を閉じてる。
私は思いきって降谷の頬にキスをした。
『ど、どうですか!驚いたでしょう!』
降谷は、顔を赤くさせているだろう私を見て、微笑ましく笑う。
「ああ、驚いたよ。まさか君からキスをしてくれるだなんて。でも、これじゃあイタズラじゃなくてご褒美だ。」
私はイタズラが成功せずに肩を落とす。
「ほら。」
降谷はポケットから袋を取り出す。
『お菓子……。持ってたんじゃないですか!』
「君がどんなイタズラをしてくれるのか楽しみだったんだ。」
私が降谷から袋を受け取ると、降谷は私を抱き締める。
「ハッピーハロウィン。」
───君のいろんな顔が見たい
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