短編
□身長差(沖矢夢)
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沖矢と二人で並んで歩く。
私は隣にいる沖矢を見た。
『沖矢さんって、背高いですよね。』
「まぁ、それなりには。」
『……。』
私はじーっと沖矢を見上げる。
私の視線に堪えかね、沖矢は口を開く。
「どうかしましたか?」
『あっいや、背の高い男性って、かっこよく見えるものだなと。』
「ほぉー。」
『それに比べて、女性は小柄だとかわいく見える。』
私は少しうつむく。
『でも私、背は低くないから かわいく見えないだろうなと。』
「そんなことないですよ。」
沖矢は立ち止まり、私を抱き締めた。
身長差があるため、私の頭はすっぽりと沖矢の胸の中に埋まる。
「僕から見れば、あなたはとても可愛らしい。」
『っ////』
沖矢の言葉に、顔が熱くなる。
『あ、ありがとうございます。』
…………。
『あの、沖矢さん。』
「はい。」
『そろそろ離してください。』
「俺は狙った標的は離さない。」
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