名探偵コナン

□第7話
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朝、大学へ行こうとドアを開けると、沖矢がいた。

「おはようございます。」

『沖矢さん!?お、おはようございます。』

「今日は僕が送っていきます。」

『えっ、なんで……。』

「昨晩、宅配業者の方が来て、君を大学まで送るように頼まれたんです。」

『(零さんが……。)』

「君が乗ってくれないと僕は怒られてしまうので、言うことを聞いてくれると助かります。」

『怒られる…。ふふっ。』

私はつい笑ってしまった。

降谷と沖矢の関係性は知らないが、降谷の方が立場が上なのか、沖矢が降谷に対して甘いのか。

降谷が沖矢に対して怒るところを想像してみると、後者のような気がする。

“仕方がない”と降谷の言うことを聞いている沖矢を思い浮かべ、少し笑ってしまった。

『それじゃあ、よろしくお願いします。』

私は助手席に促され、車に乗った。

そして、大学に向かって車が発進する。

車内ではしばらく無言であったが、私から口を開く。

『あの沖矢さん。』

沖矢は運転しながら私の声に耳を傾ける。

『昨日は私が飛び出そうとしているところを引き止めてくだって、ありがとうございました。』

「君に何もなくて良かったよ。」

『今度、何かお礼させてください。』

「ふむ。」

沖矢は少し考え込む。

「それなら、今日の夜、僕の家にご飯を食べに来てください。」

『そんなことで良いんですか?』

「もっと過激なことが良かったですか?」

『っ!ご飯で良いです!』

「それじゃあ帰りに迎えにいきますね。」

『はい。……そういえば、大学まで変わった道を通りますね。』

「ああ、この道の方が近いんですよ。」

『なるほど。』

「(昨日、組織に俺達の存在に気づかれてしまったはずだ。用心するに越したことはないからな。)」

沖矢は回りに目をやりながら、運転を続けた。
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