名探偵コナン

□第6話
1ページ/8ページ

そういえば昨日、降谷に家に送ってもらった際に言われた。

「大学で会った女性や、黒い服を着た人達には気を付けた方がいい。」

あれはどういうことなのか。
大学内で会った女性は、私に対してどこか優しい目をしていた。

『(あの人は誰だったんだろう?)』

ハリウッド女優のように綺麗な女性だった。

『(きっと私のことを知っている人。)』

いずれ知るときがくるかもしれない。

『(考えても仕方がないか。)』

私は大学へ行くために鞄を取り、玄関のドアを開けた。

「おはよう。」

『降谷さん!?えっ、なんで。』

目の前には降谷が立っていた。
偶然というわけではないはずだ。

スーツを着ているということは、これから仕事だろうか。

「大学まで送っていくよ。」

『そんな、申し訳ないです!降谷さんも仕事があるでしょう?』

「僕は大丈夫だ。それよりも、真里が心配なんだ。それに、昨日話しただろう。君は狙われている。」

『狙われているって言われても……。』

「真里を狙っているやつらは、君のことを殺そうとするかもしれない。」

『(殺す!?)』

そんな大事だとは思っていなかった。
私は何に関わっているのだろうか。

『私、何か恨みを買うことでもしたんですか?』

「違う。知ってはいけない情報を知ってしまっただけだ。今は忘れてしまっているがな。」

『……。』

「大丈夫。僕が守るさ。君のお兄さんとも、そう約束したからな。」

『お兄ちゃん……。』

「さぁ乗って。」

降谷は、助手席のドアを開ける。

『あのっ、降谷さん!』

私は降谷を真っ直ぐ見る。

『私のことで降谷さんに負担をかけたくないんです。だから、仕事とかプライベートとか、自分のことを優先してくださいね。』

降谷は少し笑う。

「わかった。でも、君とはもう少し話したいと思っていたんだ。そうじゃないと、名前で呼んでもらえないからね。」

『あっ。』

私たちは笑い合った。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ