名探偵コナン
□閑話
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沖矢(赤井)side
『ライ。あなたのこと、信じてるから。』
彼女は黒ずくめの組織の一員であった。
『ライ!ありがとう!あなたのスナイパーの腕は一流ね!』
共に仕事もした。
彼女は自分にとって妹のような存在であった。
「ライ、頼む。俺の妹を、真里を守ってほしい。」
彼女がスコッチの妹と知ったのは、スコッチが自殺した時だ。
彼は妹を俺に託した。しかし―――
『あなたは誰……?』
スコッチが死んだ次の日、彼女は俺を見てそう言った。
スコッチが死んだ時、その事実があまりにも受け入れがたいもので、彼女は黒ずくめの組織にいた時の記憶だけを忘れてしまったようだ。
俺は彼女に新たな人生を歩んでもらえるように、新しい居場所を用意した。
『お兄ちゃんはどこ?』
彼女は、まだ兄が生きていると思っている。
彼が死んだことを思い出さない方が、彼女は幸せなのかもしれない。
だが、このまま知らないままで良いのか?
どちらにせよ―――。
「スコッチ。お前との約束は守る。だから、安心して眠れ。」