名探偵コナン

□第2話
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今日は飲食店でアルバイト。
私はお客さんの注文を聞いたり、料理を運んだりと、忙(せわ)しなく動いていた。

『(今日は何も起きなければいいけど。)』

以前、ここで働いている途中に、男性に絡まれたことがあった。

その人が言うに、「お姉さんかわいいね。君は僕の癒しの女神だ。」と。
人より顔立ちはよく、見た目は異性からモテる方ではあったが、迷惑この上ない。

その時は、気の弱い男性だったのか、少し拒絶する言葉を言ったら、お引き取りいただけた。

しかし今日は、柄の悪い気の強そうな男性が二人、こちらを見てニタニタと笑みを浮かべながら話をしている。

『(ご飯を食べ終わったなら、早く出ていってくれないかな。)』

そんなことを思っていたら、男性二人は立ち上がって会計をしにレジへ向かった。

手の空いている従業員がいないため、必然的に私はレジへ。

『2750円になります。』

男性達は普通にお金を支払ったが、そのままこちらを凝視。

『レシートはいりますか?』

「いや。」

男性はニヤリと笑い、レジのカウンターを回り込んで私の腕をつかむ。

「お姉さんをお持ち帰りで。」

そう言うと、強く腕を引っ張られた。

『っ!』

引っ張られた場所が痛い。

『お客さん、困ります!離してください!』

「そう言うなよ!」

引っ張られていきそうなところ、店長が慌てて出てきた。

「ここの従業員にそんなことをされては困ります!お引き取りください!」

「うるせぇ!」

バシッ

「グッ!」

ガシャン!

『店長!』

店長が助けに入ろうとしてくれたが、もう一人の男に殴られてしまった。

周りのお客さん達は、「あいつらヤバイよ。」「警察に電話しよ。」と怯えている。

『(もう許さない。)』

私もサバイバル部で鍛えてる分、腕っぷしはある。

腕をつかんでいる男を捻りあげようとしたが、次の瞬間、男の呻き声が聞こえた。

「ぐぇっ」

「女性を手荒に扱うなんて、男の風上にもおけないな。まして人を殴るとは。」

突然腕の痛みがなくなり、男性二人は床に臥していた。

捕まれていた腕を解放してくれたその声の主を見る。

背の高い眼鏡をかけた男性。
整った顔立ちをしており、目は細められている。

『ありがとう、ございます。助かりました。』

「いえ、お怪我はありませんか?」

笑みを浮かべるその人。

『(どこかで会ったことがあるような。)』

この顔に見覚えはないが、雰囲気がどことなく知っている。
そう、どこかで会ったことが―――
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