名探偵コナン

□第1話
1ページ/1ページ

『私、強くなる!自分の身を守れるくらい、ううん、みんなを守れるくらい強くなる!』

小さい頃、誘拐された私を助けてくれた兄とその友達。
怪我をしてまで私を助け出そうとしてくれた二人を見て、そう誓った。



――――――――――



それから十数年後。。。

ここは東都大学内。
桜の花びらが風で綺麗に舞っている。

「真里先輩、お疲れ様です!」
『お疲れ様ー』

私は今年から東都大学4年生。
友達、部活仲間にも恵まれ、学生生活は充実している。
部活動は、サバイバル部。
色々な場所で、着色弾を使って撃ち合い生き残るという、そんな活動をしている。
女性ではあるが、男性にも負けないくらい強いと自負している。

「真里!一緒に帰ろ!」
『ごめん、今日はバイトの日なの。』

今は実家から離れ、一人暮らしをしている。
義親に学費を払ってもらえることに感謝しつつ、空いた時間にアルバイトをし生活費を補っていた。



――――――――――



アルバイトが終わり、その日の夜。

『ただいま、お兄ちゃん。』

これはアパートに帰ってきた私の日課だ。

部屋に飾られた写真を手に取り、兄の顔を見る。

『(どこ行ったのかな、お兄ちゃん。)』

前は連絡がとれていたのに、数年前から音信不通となったのだ。

兄は警察学校に入り、卒業後も仕事はそれなりに順調だと聞いていた。

連絡がとれなくなる前に、居酒屋で兄に会った。
そこには兄の警察学校時代の仲間という人達がいて、私が小さい頃に会った兄の友人もいた。

少し話した後、私は兄と一緒に歩いて帰った。
その時、兄はどこか遠くに行ってしまいそうに見えた。

その後、兄がどうなったのか私には記憶がない。

私には、ここ数年間の記憶がないのだ。
この抜けた記憶の中に、兄が消えた理由がわかるものがあるのかもしれない。

『(探しだすからね、お兄ちゃん。)』


次の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ