名探偵コナン
□第5話
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『そういえば、私なんで降谷さんのお家に?』
「あぁ。真里が学校内で倒れたから運んできたんだ。いつ目覚めるかもわからないし、他の誰かに任せるわけにもいかない。家に運んだ方が良いと判断したんだ。」
回りを見渡すと、ギターが置いてあるくらいのシンプルな部屋。
『はっ!私、降谷さんのベッドをお借りして!』
私は慌てて布団から出る。
「そんなこと気にしなくてもいいさ。」
『きっ、気にしますよ///』
恥ずかしそうにしている私を見て微笑みながら、降谷は立ち上がる。
「今日はご飯を食べていくといい。」
『えっでも「食べていってくれるね。」はい。』
降谷は有無を言わせず、料理を作るために台所へ向かう。
『私も手伝います。』
私は降谷と料理をすることになった。
「なんかこうしてると、新婚みた『降谷さん!///』ごめんごめん。」
嬉しいけど、恥ずかしい。
胸のドキドキがおさまらない。
降谷を見ると、幼い時とは違って大人の男性になっている。
『(お兄ちゃんの行方はわからないけど、降谷さんに会えて良かったな。)』
私は笑みをこぼして、料理を手伝った。
――――――――――
『「いただきます。」』
出来上がった料理を二人で食べる。
『美味しい!降谷さん、本当に料理が上手ですね!』
「そう言う真里の作った味噌汁も美味しいよ。」
『ありがとう、ございます///』
「それより、その敬語。」
『?』
「敬語はなくていい。」
『でも降谷さん年上ですし、前も敬語で話してたので。』
「それじゃあ、せめて名前で呼んでくれないか。」
『な、名前!?……れ、零。』
降谷が笑顔でこちらを見る。
『さん///』
降谷は笑う。
「できたら呼び捨てがいいな。」
『善処します。』
「まぁゆっくりでいいさ。食べ終わったら家まで送っていくよ。」
外はかなり暗くなっている。
時計を見ると、夜の8時を回っていた。
『よろしくお願いします。』
幸せな時間が流れていく。
過去も大切だけど、
現在も大切なもの。
『(失いたくないな。)』