星空のしたで〜第1章〜(第1〜39話)
□第8話 和気あいあい
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「ここはこうして…」
「こうですか?」
「そうそう、で、こっちと合わせて…」
「わ、すごいぴったりです!」
休日の午後、職員室で半助とたまみがきゃっきゃうふふと小袖を作っていた。
同室の伝蔵は苦虫を噛み潰したような顔で居心地悪く書類整理をしている。
「土井先生ってお裁縫も得意なんですね…!」
「アルバイトでよくさせられますからね。」
「何だかいつでもお嫁にいけそうな感じですねぇ。」
「はは、嫁は欲しいけど自分がなる気はないなぁ。」
「…欲しいんですか?」
「え、あ!いや、その…」
オホン!
堪えきれなくなった伝蔵が大きな咳払いをした。
「悪いが隣の部屋でやってくれんかね?」
「「す、すみません…!」」
こうしてたまみの新しい小袖が完成し、学園長先生にもきちんとお礼とお披露目をすることができた。
(おまけ)
「ヘムヘム?」
「ん、あの紙に何て書いてあったのかって?」
「ヘム!」
「『お饅頭を買うという名目でたまみちゃんを連れ出して小袖を用意してあげなさい』と書いたんじゃよ。わざと崩した文字でな!」
「ヘム〜!」
「そうじゃろそうじゃろ、初めての共同作業!いいなぁ青春は!!わしももっと若ければ…いやまだまだわしだって!」
「ヘムヘム〜…」
そんな学園長の意図に気づきながら何も言わない半助であった。
→(あとがき)