星空のしたで〜第2章〜(第40〜125話)
□第41話 おでん事件
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午後の職員室。
今日もたまみさんと二人でテストの採点やら資料作りをしていた。
せっかく二人きりだというのに、ちょくちょく生徒達が来るものだから、中々たまみさんに近づくことができない。
ついこの前までは、同じ空間にいるだけでも嬉しかったのに。
今は顔を会わせているのに触れることができないもどかしさが募る。
人間とは欲深いものだなぁなどと考えていると、またばたばたと足音が聞こえてきた。
今度は何だ?
「土井先生!大変です!!」
しんべヱと伏木蔵が障子をあけて入ってきた。
「「食堂に置いてあったおでんが無くなりました!!」」
「なにぃっ!?」
私は驚いて声をあげ立ち上がった。
「たまみさん、今日の夕食はおでんだったんですかっ!?」
「あ、言い忘れてました…!」
「土井先生、驚くのはそこじゃなくて…!」
しんべヱと伏木蔵が苦笑する。
私はオホンと咳をして座った。
「あー…、またしんべヱが無意識につまみ食いしてたとかそんなんじゃないのか?」
「えへへ、その節はすみませんでしたぁ…。でも、今回は僕じゃないですよ!つまみ食いしに行こうとしたら、もうなかったんです!」
「つまみ食いしに行くんじゃない!…食堂のおばちゃんは?」
「買い出しに出てるみたいで居ませんでした。」
「土井先生。実は、おでんの具の中でも、練り物だけが無くなってるんですよ…スリルとサスペンスだと思いませんか…!?」
伏木蔵がキラキラした目で見てくる。
「…練り物だけが無いのか?」
「「はい!」」
「…そ、それは、気になるな…。」
正直、練り物がなければないで全く問題はないのだが、気になるのは誰がなぜ練り物だけを…という点だ。
「たまみさん、ちょっと調べてきます…。」
「わ、わかりました…。」
苦笑いするたまみさんを残して、私はしんべヱと伏木蔵と犯人探しに出た。