星空のしたで〜第1章〜(第1〜39話)
□第4話 新学期のあいさつ
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(半助視点)
昨夜、たまみさんは不安がために泣いていた。
震える華奢な背中を目の前にして、その肩を抱いて慰めてやりたかったが、さすがに出会ったばかりでそのようなことをするのも憚られ「大丈夫」と頭を撫でてやるくらいしか出来なかった。
翌朝、なかなか起きてくる気配がない。
まだ寝ているのだろうか。
「たまみさん?」
廊下から声をかけるも返事がない。
もう少し寝かせておいてあげたいが、もう起きる時間なので仕方なく障子を少しあける。
「たまみさん、朝ですよ。」
やはり返事がない。
まさか具合でも悪くなったのではと心配になった。
「すみません、入りますよ。」
断って部屋に入る。
たまみさんは布団を抱くようにして寝ていた。
穏やかな寝顔に規則正しい呼吸、ただ眠っているだけのようだった。
…可愛らしい寝顔だな。
じゃなくて!
起こそうと近づく。なぜか気配をけして。
「…っ!」
はだけた寝巻きから、ちらりと覗く白い太股。
起こそうとした手が止まり、思わず目がとまってしまった。
…綺麗な肌だな。
って、いやいや、そうじゃない!
邪念を振り払い、再び声をかける。
「たまみさん、起きてください。」
「ん…」
寝ぼけ眼のたまみさんは、ぼーっと私を眺めた。朝に弱いようだ。
「おはようございます。」
「…おは…よ、ござ……土井先生!?」
びっくりして飛び起きたたまみさんに、私もびっくりする。
「あ、すみません、外から声をかけても起きなかったから…」
「寝坊しましたか!?すみません!」
「いえ、まだ大丈夫です。が…寝巻きが、その…」
「!」
外の方を見ながらそう言うと、たまみさんは慌てて袂を直した。
「用意ができたら隣に来てください。朝食に行きましょう。」
「わ、わかりました…!」
努めて平静を装い部屋を出た。
大きくため息をつくも、白くはだけた胸元と太股が脳裏に焼き付いて離れなかった…。