夢想乱舞


□▼ 妖ノ花 −アヤカシノハナ−
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「桜月……凄く可愛い」

『……っ、く……ぅ』




病んだ微笑みを浮かべ、加州が
首を絞める手に力を込める。

当然だが、首を絞められている
桜月は、酸欠から
苦悶の表情を浮かべ、加州を見詰める。



『清、光……っ』

「苦しい?もう限界?」

『っ……は』



桜月の意識がいよいよ薄れ、
目が虚ろになり
焦点が定まらなくなった時。

その虚ろになった眼差しを見て、
漸く満足した加州は、
首を絞めていた手をふっと離し、
桜月の気道に
数十秒ぶりの酸素を与えた。



『かはっ……けほ、けほっ』

「苦しかったね、ごめん。
でも、凄く可愛かった」



そう謝罪の言葉を紡ぐ加州の唇が
桜月の唇を甘く塞ぐ。

啄むように、何度も角度を変え、
ちゅく、と濡れた音を立てながら
口付けを交わし続ければ、
桜月の喉からは
先刻までの苦悶の声とは違う、
甘ったるい吐息混じりの声が漏れた。


上機嫌の加州は、更なる嬌声を求め
桜月の耳を甘噛みし、
同時に熱い舌先で耳を舐めながら
豊満な胸を両手で揉みしだく。



『ぁ……んっ』

「可愛い」

『っ……!耳は……ダメ……っ』



どうやら、主は耳が弱点らしい。
にやり、妖しく口角を上げて
加州は耳元で甘く低く、
愛の言葉を紡ぎ囁いた。



「何、耳弱いんだ?」

『ふぁ……っ』

「かーわいい。じゃあ、
耳責められながら、
身体も責められたら……
どうなっちゃうかなー?」

『やっ、ぁ……ん!』



耳を甘噛みしながら囁き、
更に胸先で主張する突起を
指先で爪弾いたり、摘んでやれば、
忽ち、蕩けた顔になり、
甘い啼き声が上がる。



「ふふ、気持ちいーんだ?」

『清、光……んっ』

「大丈夫、俺はここにいる」



熱に浮かされ、ふわふわする意識から、
加州が離れそうな錯覚でもしたのだろう。

泣きそうな顔で加州の上着を
きゅっと掴む桜月が
愛おしくて、加州は桜月の額に
優しく口付け、安心させた。



『清光、私の身体に痕、つけて?』

「ん、わかった」



愛しい主からの命に、加州は喜んで
桜月の白い絹肌に
紅い花弁を刻み散らす。

素肌をきつく吸い、痕を刻む度に
ぴくん、と小さく身体が跳ねるのが
堪らなく愛おしい。



花弁を散らしながら、掌で
身体のラインをなぞるように
撫で下ろし、巫女服を模した
アレンジ和服のスカートの中へと
手を入れ、下着に触れる。

そこは最早、下着の意味を
成さない程に湿り、
充分すぎる程に濡れていた。



「もうこんなに濡らしてたの?
感じやすいんだ」

『ひゃっ……耳、ダメぇ……』

「うん、わざとだよ」



そう悪戯な笑みを浮かべれば、
桜月が加州を恨めしげに睨む。
だが、真っ赤な頬に涙目で
見詰められても、それは男の
加虐心を煽るだけで。



「それ、逆効果だよ?」

『ぁ……っ!』



ふふ、と笑みを零しながら
悪戯に蜜壷の中へ指を二本
挿し入れて、内壁を強めに擦り、
同時に花芽も親指の腹で刺激する。

それだけで、あっという間に
桜月は加州の上着を強く掴み、
小さく身震いをして軽く達して。


「あれ、イっちゃった?」
そう加州が訊ねれば、桜月は
目を強く瞑り、顔を真っ赤に染めて
小さくこくりと頷いた。





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