短編

□おめでとう
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「ただいま〜」


『おかえり〜』


玄関まで迎えに行って手を繋いでリビングへ。


『あ、お風呂先にする?』


「あとでいい。それより喉渇いた」


『はいはい、お嬢さま』


ソファーに座りながら彩が聞いてくる。


「ライブ見とった?どやった?」


『うん。めちゃくちゃ良かったよ』


飲み物を目の前のテーブルに置きながら答える。


「たとえば?」


飲み物に口をつけながら聞いてくる。


『1曲目のイントロのバイオリンいいよね』


「それAyasaさんや・・・」


『あはは知ってるよ。でもあれ聞くとこれから盛り上がるんだなってテンション上がるよね』


「そやねん」


『もう彩はかわいいとカッコいいが入り乱れててずっとヤバかったわ。カメラ見るな!って思ってた』


「は?なんでや」


『ドキッとしすぎて心臓持たない』


「ははっ。葵でそう思うならファンのひとたちはもっとやろな。やった!」


『カバー曲も彩に合ってて凄い良かったし。あれ、あたし投票した曲だったから嬉しかった』


「投票したんかい」


『あのアニメソングも不意をつかれてビックリしたしめちゃくちゃ良かった。衣装も髪の毛もこれに合わせたのかなってくらいピッタリだったなぁ』


彩は満足そうに頷いてて。
でもソファーに頭を乗せて眠たそう。


『あ!浴衣もかわいかったよ』


「あ、あぁそうそう。夏祭りのコーナーあったから浴衣にしてみましたぁ」


『そうだった。冷蔵庫当ててたじゃん』


「ここに置こうと思って大きいのリクエストしてきたったからな」


『やったぁ』


「そ。葵に料理いっぱい作ってもらおと思って」


『わぁ。そういうことかい!』





「ん〜、眠たい。葵ベッド」


そう言って目はほぼ瞑ったまま両手を広げてる。これは抱っこしろってか?


かわいいけど。


『はいはい、お嬢さま。お風呂は?』


「明日・・・入る」


彩を抱っこしてベッドへ運ぶ。


彩をベッドに寝かせたのに首に回した手がほどかれる気配がない。


これはこのまま添い寝のコースだな。
ま、かわいいからいっか。



『27歳の誕生日おめでとう。大人な彩も子供っぽい彩も大好きだよ』


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