短編

□焼鳥と・・・
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「いらっしゃいませ〜」



いつものようにコンビニに入って店員さんとは目を合わせず店の奥へ。



缶チューハイを手に取りレジをうかがう。


入った時の声で彼女だということは分かっていた。
なにしろ彼女がいるからこのコンビニに来てるんだから。


元々は仕事帰りに家の近くのコンビニで缶チューハイと焼鳥を買うのが日課になっていた。


たまたま気分を変えようとこの駅前のコンビニに寄ってあの子に一目惚れ。
週に2回しか会えない彼女。


山本さやかちゃん。


名札には山本、としか書いてないけどオーナーらしき人にさやかちゃんって呼ばれてる。
だからどんな字で書くかはわからない。


他のお客さんがいなくなったところでレジに向かう。



『焼鳥ください。あと・・・』



「アメリカンドックですよね」



『え?』



「あれ?違いました?いつも買ってますよね?」




そう。初めてさやかちゃんのレジに並んだとき缶チューハイと焼鳥だけって、おっさんか!って思われたくなくて、なんとなくアメリカンドックを頼んだのをきっかけに毎回一緒に買ってるわけだけどまさか覚えてくれてたとは!



「そんなに好きなんですか?」



『あ、はい。そんなに好きです(あなたが)』


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