短編

□ホワイトデー おまけ
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手を繋いだまま教室に戻ると


「やっとか」


と里香ちゃんに言われ、
クラスメイトには


「葵ちゃんおめでとう」


などと言われて不思議に思いながら
彩と目を合わせるけど彩も首をかしげてる。


「葵が彩を好きなん、皆知ってるで」


『えっ?』


「彩ばっかり見てるし、彩と話してるとき、他の子と話すときより笑顔やもん。あんなん気づかへんの、彩だけやで」


『・・・マジか』


そういや、みるきーもバレバレやでって言ってたけど、皆にバレバレって意味だったんかい。

恥っず。




昼休み。

彩と里香ちゃんと屋上でご飯を食べ終わったとこ。まだちょっと肌寒いから他には誰もいない。


『さて、彩からのチョコ食べよっと』


「え?手作りしたん?」


「ちゃうわ」


『彩からの愛情たっぷり既製品です』


「・・・イヤミかよ」


『違うよ〜。あたしのことを想って数ある中から選んでくれたんだもん。嬉しいよ。うひひ』


「・・・そうですか」


『あれ?照れてる?かわいい』


「うっせ」


『あ、おいしい。はい、彩も。あーん』


「「え?」」


『え?』


「あ、あたし朱里に呼ばれてるんだった」


里香ちゃんはそそくさと行ってしまった。


『ちょっと、里香ちゃん!まぁいいか』


「・・・・」


『ん!』


チョコをつまんで彩に差し出す。


「あ、いや〜、これは」


『え?あ。潔癖だったっけ?素手は嫌か』


「そういうことやなくてな。
ほんじゃぁ・・・いただきます」



『ちょっとぉ!指まで舐めないで!!』


ニヤニヤしてる。


「そういう誘いやなかったん?」


『ち、違うわ!!・・・ハ、ハックション!』


「・・・はいはい。今度はそういう誘いか」


そう言って立ち上がった彩はあたしの後ろにまわって座った。バックハグ状態。


「寒いんやろ?」


『む、むずむずしただけだし』


「じゃ、離れよか」


そう言って立ち上がろうとしたから


『あ、いや・・・』


って振り返ったらキスされた、、


『!!!』


「へへ。顔赤くなってやんの。かわいい」


『はぁ。なんか、彩とだと調子狂う。主導権握られっぱなし』


「別にいいやん。嫌?」


『嫌・・・じゃないけど、うーん。なんか、こう違和感というか・・・慣れてないというか・・・恥ずかしいというか、、、』


「ははっ。葵はあたしに甘えとけばええねん」


って、ぎゅーっと抱きしめられた。


『ふふ。もう昼休み終わっちゃうから午後の授業サボっちゃおっか。まだこうしてたい』


「は?あかん!授業はちゃんと受けなあかん!」


『まじめだな〜』


片づけて立ち上がったところで


『あ、彩、落ちたよ』


「ん?」


って振り返ったからキスしてあげた。


『へへ。あたしからもさせろ』


「・・・やっぱ授業サボろか」


『あはは。ダメダメ!さ、教室戻ろ〜』


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