短編
□バレンタインのその後
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病院に着いて車椅子に乗せてもらい診察へ。
触診したり、レントゲン撮ったりしたけど
幸い、折れてもヒビも入ってなかったらしく
筋を違えただけだろうと先生には言われた。
湿布出しとくよ〜って。
あとは厚めの包帯で固定してくれるらしい。
ただ、そのままだともう片方で庇って歩いちゃってそっちも痛くなるからって松葉杖を貸してくれたけど、急に大袈裟な感じするな、これ。
診察室を出ると篠田先生と優子先輩が
「これ、もうちょっと甘い方が良かったな」
「篠田は好きだよ、これくらい」
『ちょっ!!えぇぇぇーっ!!嘘でしょ?なんで食べちゃうんですか!しかも勝手に!!』
「お腹すいちゃってさ」
「篠田も」
『先生まで!』
「それに、もう誰にあげるわけでもないし、持って帰ったって捨てられないでしょ?一人で食べたらそれこそ悲しいじゃんか」
そりゃそうだけど・・・・・
「あ、診察どうだった?」
「折れてはなかったです。全治2週間ですって」
「そう。・・・んじゃ、帰るか」
それから家まで送ってもらって、今は自分の部屋のベッドの上。
確かにこの状況でアレを食べれる気分じゃなかったな。
でも今ここに箱さえも無いことになんだか喪失感もあって泣けてきた。
あー!!ダメだ!
うじうじしてるのはあたしらしくない。
お風呂に入ってスッキリしよう!
と、その前に
『お母さーん、お腹すいたぁ〜!』