短編
□彩サンタ
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ピンポーン。
「メリークリスマス」
『え?サンタって玄関からくるんだっけ?』
「やって高所恐怖症やもん」
『いやいや、そういう問題?』
「大問題やわ!それにここマンションやから煙突ないやん」
『あー、確かに。しっかしサンタっておじいさんだと思ってたけど随分若いね』
「あー、あたし25歳でっす」
『え?あたし?サンタって女性もいたっけ?』
「いや、今気づくんかーい」
『まぁ、初めからわかってたけどね』
「おい」
『そーいや、トナカイは?』
「あぁ、音遠ちゃん?」
『音遠ちゃん?』
「そ。この子」
『いや、それトイプーですやん』
「そやで。可愛いやろ?」
『めっちゃ可愛いけど・・・
えっ!?その音遠ちゃんに乗ってきたの?』
「まさか!乗れるわけないやん。
動物虐待か!」
『はぁ。あ!じゃぁ、プレゼントが音遠ちゃん?』
「は?音遠はやらん!」
『え?じゃぁ、プレゼントは?』
「見て分かるやろ? 」
『 ?? 』
「あ・た・し❤️ 」
『・・・・・』
「ちょちょちょドア閉めないで!いや、むしろそろそろ家に入れてや」
『なんでサンタさんがプレゼント?』
「嬉しくないん?」
『・・・初対面』
「一目惚れってあるやん!」
『今んとこ一目惚れ要素は無いですね』
「つめたいなぁ」
『いやいや普通でしょ』
「掃除、洗濯得意やし、あたし歌もイケるで。あ、料理は無理やけど」
『でもなぁ』
「断る理由ないやろ?」
『うーん・・・無いかなぁ?』
「ない!ない!」
『うーん・・・・・』
「あ、そうや!サンタの衣装、定番のズボンで来たけど・・・じゃーん!ミニスカも用意してまっせ、お客さん!」
『え?』
「お?食いついたな。目キラキラしちゃって」
『いや、そ、そんなこと・・・』
「あからさまに動揺してんな。じゃ、着替えるんでお邪魔しまーす。やっと家に入れるわ」
『ちょっとぉ、困るよ〜・・・色々と。うへへ』
(案外、変態ちゃんやな)