短編

□初選抜
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『はぁっ、はぁっ。んー』


初めて選抜に選ばれた。
ファンの皆さんも喜んでくれてたし
がっかりさせたくない。


もうメンバーの皆も帰っちゃったし、ひたすらDVDを見ながら練習してるんだけどさっきからどうしてもできないとこがあって。


でも聞く人はいないし、自分にイライラしてきたから落ち着くためにちょっと休憩。


音楽は流したままで壁に背をつけて鏡をぼーっと見る。次は目を瞑ってイメージトレーニングをする。でもやっぱりできないとこはできないままで。



キュキュ、キュキュキュ



ん?
音に目を開けるとそこには彩さん?


あれ?床に顔がついてる。
いつの間にか寝ちゃってたみたい。
しかも彩さんの上着がかけられていて。


その体制のまま彩さんの動きを見ていると



『あっ!』


自分じゃ解決できなかった箇所が分かった


「お?起きた?」


『ありがとうございます』


「あぁ、上着?風邪ひくかと思っ」


『いえ!彩さんのおかげで解決しました』


「ん?」


『やっぱり彩さん凄いや』


「え?なになに?」


『なんでもないです』



「ま、いいや。葵はまだ帰らんの?」


『あ、彩さんの邪魔ですよね。すいません』


「いや、別にレッスンせぇへんし」


『え?彩さん、レッスンに来たんじゃないんですか?』


「いや、葵を迎えに来たんやで」


『へ?』


「ご飯行こうや」


『え?あ、じゃあ、もう1回だけ踊ってから』


「真面目やな〜」


『いやいや、下手っぴですから。人より練習しないと!』


「寝てたけどな」


『うぅ、、あ!上着ありがとうございました』


「話逸らしたな。まぁ、風邪引かんようにな」


『よーし。1発で決めて彩さんとご飯行くぞー』


「よーし。しっかり見といたるな」


『えぇっ!?めっちゃプレッシャー・・・・・でも、まぁこれくらいのプレッシャーに負けてたらダメですね』


「これくらいの?」


『はっ!う、、あ、、いや、、そういう意味じゃないですっっ』


「ははっ。分かってるって。はよご飯行こ〜」


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