☆短編小説☆

□☆星屑遊戯☆柳宿×翼宿【※】
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☆星屑遊戯☆


すんすんと、星のような涙を流す。

星宿様にフラれたらしい。

涙の似合う、その泣き顔を、しばらく黙って見つめていた。


「うっ、うっ、」

白い指で、目頭に浮かぶ涙をぬぐう。

「うっ、うっ、」

止めどなく、目尻から、涙が頬を伝うのを、黙って眺めていた。

「うっ、うっ、」

小鼻をすする柳宿。
黙って、鼻紙を差し出す翼宿。

ちん、と、小鼻を押さえて鼻をかむ。


「ちょっとぉ、泣いてる乙女に慰めの言葉のひとつも
かけられないンだったら、出てってよねっ!?」


「じゃ、自分の部屋で泣けやっ!!」


「うっ、うっ、うわーーーん!!」



(うーん)

腕を組み、首をかしげ、慰めの言葉を探す翼宿。

「泣くな、柳宿。
こーてーはんがな、間違うとンねん。
女っちゅーだけで、朱雀の巫女、選ぶなんて。
お前、男やん」


(うーん)

「泣くな、柳宿。
お前はなにも間違うてない。
こーてーはんがな、間違うとるねん。
お前が、男なだけで」


(うーん)

「泣くな、柳宿。
お前はなにもわるない。
朱雀の巫女がな、悪いねん。
たまー、ゆーヤツがおりながら、
こーてーはんにも、フラフラしよる朱雀の巫女が。
オンナっちゅーモンがな、いつでもワルいねん。
お前、男やけどな」

「ちょっとぉ、余計な一言付け足さずに、
慰めの言葉もかけられないなら、黙っててよね!!」

「どーせえっちゅーねんッ!?」

「うわーーーんッ!!!」



(あ)

ぽん、と、拳で手の平を叩いた翼宿。
その手をそのまま、湯浴みか、香か、それとも天性か、
なにか良い香りのする寝巻姿の柳宿の下半身に伸ばす。


「ん?」

一瞬、泣き止む柳宿。

そのまま、柳宿の下半身をまさぐる。

「ん?」

柳宿は、半分泣き止む。


「な、慰めェ、ゆーからっ」

「そ、そーゆー意味じゃないわよっ」


そーゆー意味じゃ、ないはずだった。

しかし─────。


「ん……」

翼宿は、そのまま、柳宿の下半身を、まさぐる。


「あ……」

泣き止んだ柳宿。


「ん……、ちょ、ちょっと、、やだ、、やめて……」

(あ……、ちょ、ちょっと、、やだ、、気持ちいい……)


星宿様に捧げるため、禁欲していたのが、仇となる。


「あっ、あ……、あ、翼宿……、、イヤ、、
あっ、、翼宿……、、イヤ、、あっ、、
ああっ、あっ、あっ、翼宿……、、イヤ、、あ……、
あっ、、そこっ、、あっ、そんなっ、、あっ、翼宿……」


「……イヤか?」

「……わかンない」

「わかンないんやったら、黙っとけ」


黙る柳宿。

もっと、無骨に、荒く、粗野に、デリカシーなく、
雑に、まさぐられるかと思ったが、
柳宿の下半身を、その反応をさぐりながら、まさぐるその手は、
不慣れで、不器用で、ぎこちなくはあったけど、優しかった。

赤い顔をする柳宿。


「ン……、ん、、ン、ン、ン、あン……」

柳宿の下半身の、下の方をまさぐる。

「あっ、、あ、あ、アッ、アッ、あっ、あっ、、あン……」

柳宿の下半身の、上の方をまさぐる。

「あっ、アッ、アッ、アアッ、、ンンッ、、あン……」

柳宿の下半身の上下を、裏を中心にまさぐる。


「アアンッ!」

柳宿は翼宿にしがみつく。

「ここか?」

「ああっ!そこぉ!」

「こうか?」

「ああっ!そうっ!」

翼宿にしがみつく柳宿。

「アアッ!イイッ!!」


優しいが、不慣れに、不器用に、ぎこちのないその手で
まさぐられるほど、熱くなる。

「ン、、気持ち、、イイ、、ハァ……」

熱いモノが、下の方から、溜まってくる。

「アッ、あンッ、、ああっ、そこぉ!
アッ、アッ、アッ、、あンッ、そうっ!」

溜まったモノが、下の方から上の方へ、上がってくる。

「あっ、あ……、あ、翼宿……、、やめないで、、
あっ、、翼宿……、、やめないで、、あっ、、
ああっ、あっ、あっ、翼宿……、、やめないで、、あ……、
あっ、、イクッ、、あっ、そのまま、、あっ、翼宿……、、

あっ、イッ、、あっ、イッ、、あ……、、ん……、、」


翼宿の胸に顔をうずめる。



「………イッ─────ッ………」



翼宿の手の中に、熱く溜まったモノを、全て吐き出す。


まるで、涙に嗚咽するかのように、その背中を震わせる柳宿。
の、背中の震えが治まるまで、
汚れていない方の手で、その背中を、黙って優しくさする翼宿。


「うっ、うっ、


えーん、えんえん……」

「お前、もう、嘘泣きやろ」

「バレた?」

翼宿の胸から顔を上げ、ぺろり、と舌を出した柳宿。
は、手を伸ばし、シュッシュッシュッ、と、
手にした鼻紙を、翼宿に手渡す。

それで汚れた手を拭く翼宿。
柳宿も、数枚を手にすると、
それで自分の汚れた下半身を拭く。


「…お前、なんで泣いたん?」

「あーら、美しい泣き顔を、誰かに見せるために乙女は泣くのよ♡」

「お前、男やん」

「心は乙女よ」

「…お前、これでよかったんか?」

黙る柳宿。


黙って、寝巻の前を合わせ直し、寝台から立ち上がると、
まだ赤い小鼻と赤い目をして、部屋の扉の前までゆき、
『じゃあね〜♡』と、手を振った柳宿。

を、翼宿は、追って、
夜空の星のきらめきのように振られた手をつかんで、
寝台に連れ戻した。



The END



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