☆短編小説☆

□☆兄妹遊戯☆柳娟×康琳
1ページ/1ページ

♡もしも、康琳ちゃんが不慮の事故に遭わず、
15歳の美少女に成長して、
柳娟が男の子のまま、
16歳の美少年に成長したら♡


☆紅南国。栄陽の都(みやこ)。
人々で賑わう市街地にて─────。

「康琳?」

「兄様っ♡」

妹の姿を見つけ、声をかけるが、
その隣にいる少年の存在に気づき、
泣きボクロのある、
ややタレ目がちな大きな瞳で、
その少年の顔を、ギロリと睨む。

「……康琳、そいつは?まさかっ、彼し…」

「え♡」

彼氏、と言われかけ、まんざらでもない表情を浮かべる、
器量の悪くない、少年。

「いやですわ、兄様っ♡
こちら、お買い物を手伝ってくれたり、
荷物を代わりに持ってくれたり、
髪飾りや首飾りを買ってくれたり、
人気のお菓子を並んで買ってきてくれたりする、
ただの男の子のお友達ですわっ♡」

「え?」

耳を疑う、少年。

「ね♡?」

兄にそっくりの、
ややタレ目がちな大きな瞳を細め、
魅惑の微笑みを少年に投げかける、美少女。

(なんて、小悪魔なんだっ!そこが好きだ!)

「なーんだボーイフレンドかぁ〜」

柳娟は、ほっとしたような、
早合点したことを恥じるような表情を浮かべる。

「だけどもし────、康琳を泣かすようなマネをしたら、コロスよ」

(ええっ!!?コロサれるの!?ただの友達なのに!!?)

「きゃ♡兄様ったら♡」

「柳娟ク〜ン♡」

「ん?」

突然現れ、駆け寄り、
柳娟に腕を自分の腕を絡ませる、
これまた器量は良い、少女。

「兄様?そちら方は?」

チラリと、兄の腕に絡みつく少女の顔に、視線をやる。

「もしかして、ガールフ…」

「違う」

「はっ!!?」

「たまに、一緒に街へ出掛けたり、
芝居を観たり、お茶したりする関係」

「はぁっ!!??」

「なっ♡?」

妹そっくりの大きな瞳で、
魅惑の微笑みを少女に投げかける、美少年。

(レンドも言わせず、あっさり女友達であることすら否定するなんてっ、
もうっ好きっ!!)

「なぁ〜んだ、そうでしたの」

康琳は、ほっとしたような、
早合点したことを恥じるような表情を浮かべる。

「でももし─────、兄様を振り回すようなことがあったら、
その腕────……。


兄様、なにか、ご用ですの?」

「はあっ!!?その腕が、なんなのよっ!!?最後まで言いなさいよっっ!!」

「外食するから、帰ってきなさいって。行こ、康琳」

「はい♡兄様っ♡」

「「じゃ、またね!」」

「「ま、またね……」」

ふたりの、姿、形、そっくりな兄妹は、
それぞれ友達と、友達未満に手を振ると、
まるで恋人同士のように仲睦まじく、
その場を去ってゆく。

「康琳、なに、食べたい?」

「兄様っ、康琳、杏仁豆腐食べたいっ♡」

「もー、杏仁豆腐はデザートだろ」

「じゃ、兄様は?」

「うーん、マンゴープリンかなー」

「もー、それもデザートっ♡うふふふふ」

「あはははは」

まだしばらくは、兄離れ、妹離れ、出来そうにない、
紅南国一の、美形兄妹でしたっ♡

おわり



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ