☆ご指名遊戯☆【翼宿side】

□F☆ご指定遊戯☆
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☆ご指名遊戯☆

F

「やーねー♡ それ、前の、お気に入りの、女神様か、誰かぁ!?
もう、お客サンったら、別の誰か、ヨソの女神様の名前、
呼んじゃったりなんかしちゃったりなんかしてェー」

(なんや?他人の空似か??)

「ハイ、じゃ、指圧から、はじめていきますねー♡」

(柳宿ちゃうんか?)

「よろしくお願いしまーす♡」

(柳宿ちゃうんか?柳宿ちゃうんとちゃうんか!?
柳宿ちゃうんとちゃうんとちゃうんか!?ん?んん??)

二重否定疑問の二乗みたいな感じみたいな感じになっている翼宿に、
リンリンが言う。

「お力加減、ご希望がございましたらご遠慮なく、
おっしゃってくださいまし♡」


ぐいっ──────


(ん?)

一押し目でわかる。

(んまいな)

女のわりには、ある力で、もう一度、ぐいっ、と、肩の辺を押す。

(あー、ソコソコッ♡)

「お力加減、いかがですかぁ?」

「ちょうどえーわ」

「このまま続けていきますね」

ぐいっ、ぐいっ、ぐいっ、と、
肩から肩甲骨、僧帽筋から三角筋へと、
一定の圧かつ安定の力加減で、押してゆく。


(巧いな)


「アラッ♡ たくましい二の腕ッ♡」

二の腕を、母指球で、ぐいっ、と、押すリンリン。

「お客サン、昔、巫女とか、守ってましたぁ?」

「おー、わかるかー?」

「ええ♡ モチのロン♡」

「昔のことやけどなぁ─────………って、」

施術台の穴から顔を上げる翼宿。

「あーーーーーーーーーーーー!!??


おまッ、やっぱ、ぬ─────、もごっ!!?」

翼宿は、また、うみへびの間で、大声をあげる。

「はーい♡ おとなしくしててくださいねー♡
怪我、しますよー♡」

リンリンは、また翼宿の頭を、施術台の穴に、押し込む。

(こいつ、柳宿ちゃうんか?柳宿ちゃうんとちゃうんか!?
柳宿ちゃうんとちゃうんとちゃうんか!?コイツ、誰やねんッ!?)


「じゃ、香油を使って、全身のマッサージをしていきますね♡」


リンリンは、石膏の器に入った香油を、
適量、手に取り、手の平の上で温めると、
それを、翼宿の背中の上に、やや高い位置から垂らす。


(ん?)


そして、背中全体へと香油が行きわたるよう、手の平をすべらす。


(気持ちえーな)


部屋に、甘く優しい香りが、広がる。


(それに、ええにおいや)

施術台の上で香油の香りに癒される翼宿。



「リンリン……やったっけ?」

「そーでーす♡」

「リンリン、いくつ、なん?─────あだだだだッ!!?」

施術台の上で悶絶する翼宿。

「お客サーン、ココ、痛いですかー!?
ツボ、押されると、悪いとこが、痛むんですよぉ♡
お客サン、ココ、悪いみたいですね、アタマ♡」

「アタマ、おもっきし、ギュウって、してるだけやろッ!!」


(ま、まあ、トシは、アレかぁ??)


「リンリン、好きな食べモン、なんなん?─────あだだだだッ!?」

「ライチでーす♡」

「フツーに、答えろやッ!!」

「おほほほほ♡」

香油を少し足し、腕の方まで手の平をすべらすリンリン。

「お客サンは、好きな食べ物、なんですかー?」

「せやなー」

「ちゃんと、野菜も食べないと」

「まだ、答えてへんわ」

翼宿は少し、自分の好きな食べ物を考える。

「……まあ、肉かな、やっぱ。焼き肉とかな」

「わたしもっ♡ タレ派♡」

「あと、焼き鳥もえーな。タレと七味で食うの」

「えー アタシ、好きー」

「レバーは、そんな好きちゃうけどな」

「飲み過ぎ、注意♡」

「でも、やっぱ、酒かなァ」

「まあ、結局、酒に合うモンですわよね、好物は♡ おほほほほ」

「まあ、結局、酒に合うモンやな、好物は。あっはっはっはっ。

会話、先、読み過ぎやねん」


会話をしながら、腰から背中、肩、首、腕と、
柳のようにしなやかに、流れるような手技で、
マッサージをしてゆく。


「リンリン、酒、飲まへんのか?」

「あたしですかー?」

「そんな飲まへんか?意外と」

「えー♡」

「ンなわけないかァー。
強い酒ほど好きって顔、しとるもんなァ(笑)


─────あだだだだ!!?」

「正解でーす♡」

「正解しとるやないかッ!?
だから、その、ギュウって、なんやねんッ!?」


たまに、頭をギュウってされながら、
足首からふくらはぎ、太ももと、
その柳のようにしなやかに、流れるような手技に、身を任す翼宿。


「ハイ、じゃ、仰向けになってくださいな♡」

うつ伏せの施術が終了し、仰向けになるよう、促すリンリン。



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