☆制服の恋人遊戯☆

□【※】最終話☆制服の恋人遊戯☆
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☆制服の恋人遊戯☆

I

「………─────『なにを』?」

「はぁ」

「一国の主の寝室に呼ばれ、その理由がわからない、とな?」

「はぁ」

「もう少し、カンのよいオトコだと思っていたが」

あからさまなため息を吐き、
椅子から立ち上がった星宿様。

柳宿は、手首を掴まれ、寝室の外へ、
閉め出されることも考えたが─────、

星宿様は、素の柳宿をお姫様抱っこで
寝台まで運んでゆくと、とさり、と、その上に寝かせた。

長いキスをされ、
時間をかけて服を脱がされ、
いつもより、時間をかけて、舐められ、

「あ、星宿様ッ………そんなッ……あン」

正常位で挿入され、

「あっあっ……そんな………ンンッ」

何度も何度も突かれ、

「あっあっあっ……、そんなに……されたら……ああッ」

柳宿の上で、額に汗を浮かべ、
肉体的快楽でか、なにか別の、精神的苦痛でか、
歪めた顔を下から見つめ、
それでもなお、美しいそのお顔を、
柳宿は白い指でそっと撫で、

「ハァ……」

と、深い、息を吐く。

(あ、イキそう。その前に─────)

ぐっと、下腹部に力を入れ、足首を締め、息を止める。

「………ッ」

一泊おいたその刹那、
カラダのナカに熱いモノが注ぎ込まれ、

「……………り…こッッ」

自分の名を、呼ばれた気がした。

(あ、イク)

「ああッッ!!イク─────………ッッッ!!」

星宿様の背中に両腕を回し、しがみつくようにして、射精した。

(………………うっ!!??)

(おい!?柳宿ッ!力!!)

(ちょっとは、加減せぬかッ!?)

背中に食い込んだ指の痛みを、
目で訴えるまでもなく、その細い腕は、
すぐに、力が抜けたように、
星宿様の背中を、するり、と滑り、
ぱさり、と、白いシーツの上に落ちた。

(はぁ♡ハア………♡ 気持ちよかったっ♡)

(スッゴクッ♡スッゴクッ♡ スッゴクッ♡ ヨカッタ♡)

(あ、寝そう)

キュン、と、カラダが、満たされる。


コトが済めば、とっとと着替えて、
さっさと部屋を出てゆくのは、お約束。

いまにも深く美しく澄んだ眠りの池の底で、
夢を見てしまいそうな体を気合で起こし、
いつものように、さっと、寝台から降りると、
いつものように、ちゃちゃっと、服を着、
せっせと、乱れた髪を編み直し、帰り支度をする柳宿。
西洋薄荷の葉を一枚、齧る。

「─────柳宿」

「─────はい?」

いつもなら、
かけられることのないその声に、
振り返る。

「今夜は、そばにいてくれないか」

「………」

「むろん、命令ではない」

「………」

(あ、濡れそう)

と、

キュン、と、ココロが、濡れるのが、わかった。

(別に、命令でいいのに、アタシには)

(人の上に立つお立場であらせられるお方でも、
独りで寝たくないなんて)

(甘えんぼさんな夜もあるわよね♡)

「─────なにか、誰かと、約束事があるのなら…」

柳宿は首を横に振る。

「そうか。
優雅で美しい王侯貴族の嗜みに興じようと思うのだが、
鞭はふるえるか?」

の、提案に、
目も語尾もハート型にして、

「はぁい♡」

と、とてもいいお返事で、星宿様の元へ戻ってきた柳宿。

西洋薄荷味のキスを、舌を絡ませ、
うっとり、と、しながら、はっ、と、する。

(アラ、やだ)

(アタシ、もしかして、もう)

(すでに、寝ちゃってるのかしらぁ??)

しかし、絡ませた舌に絡ませられた舌に、すぐに、また、うっとり、と、

「ンッ♡」

着直した服の上から背中に這わせられた指に、ゾクゾクと、

「アッ♡」

耳元で、なにか囁かれ、恍惚と、

「………専門店ですわ♡ ええ、モチロン♡ 未使用品」

その夜見た夢のことを、柳宿は一生忘れない。



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