☆制服の恋人遊戯☆
□H☆制服の恋人遊戯☆
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☆制服の恋人遊戯☆
H
あれは鬼宿が、この紅南の地に戻ってきた日の夜のこと。
(あら?)
辺りを見回す柳宿。
(あらららららら?)
ないとは思うが、寝台の下も覗き込み、
枕の下も、返して見てみる。
(衣装は?
用意し忘れたのかしら?
それとも、クリーニング中??)
2本の赤いリボンも見当たらない。
「………」
(今日はさすがに、あの衣装、見たくないか)
「………」
(もぉ、衣装、いーなら、いーって、前もって、ゆっといてよね!
コッチにも下ごしらえってものが……、ぶつぶつ)
(どーせ着替えるつもりで、部屋着できちゃったじゃない)
(あーあ、女装してくればよかったぁ)
「………」
(うーん)
「………」
(どーしましょう)
「………」
仕方がないので、男装のまま、
寝台にではなく、椅子に腰かけ、星宿様を待つ。
しばらくして、寝室にやってきた星宿様。
男装姿で、一対の椅子に腰かけている
柳宿を見ても、なにも言わなかった。
寝台にではなく、空いている方の椅子に腰を下ろす。
「あのぉ、星宿様、今日は、ご衣装はぁ?」
「………」
「あ♡」
ぱんっ、と、手の平を叩く柳宿。
「あたくしが、なにかご衣装、お持ちいたしましょうか?
なにかご希望があれば、言ってくださいましな♡」
もう一度、
「あ♡」
ぱんっ、と、手を叩く。
「全身タイトめな橙色の衣装に、
緋色の幅のある腰紐など、いかがでしょう♡
それでー、アタシがー、ボクっ娘の美人女怪盗でェ、
『今夜 月が真上にのぼったら
あなたのカラダをいただきにあがります♡』
って、書かれた予告状が、
寝台の上に乗ってるトコから始まるお遊び♡ みたいなッ♡」
「いや、よい」
(結構、いー設定だと思ったんだけど)
「では、アタシが、真紅の衣装を目深にかぶって、
寝台で寝たフリしている星宿様の元を訪れますので、
どうぞ、食べちゃってくださいな♡
あ♡ ぜーんぜんッ♡ アタシが食べちゃってもイイですわッ♡
それか、アタシが人魚姫でェ、
髪を下ろして、薄手の腰布だけ巻いて、こうしておりますので、
波の星宿様が、アタシを、こう、さらってェ─────」
「いや、衣装は、よい」
「あ、お歌でも、歌います?
笛は、チョット、確かに、アレでしたけどぉ、………おほほほほ。
歌は、十八番ですので♡
なにか、リクエスト、ありましたら♡
アムロチャン?アユ?欧陽菲菲??」
「いや、歌は、またにしよう」
「お酒に、お付き合い、いたしましょうか?
あたくし、お酒、強いんです♡
よく、
『意外だね。(見た目通り、)(か)弱そうに見えるのにね』って、殿方には、
言われそうになりそうなんですけど、そんなコト、ないんですのよ♡
白酒<パイチュウ>?白蘭地酒<ブランデー>?威士忌酒<ウィスキー>?」
「いや、よい」
「………」
(衣装もいらない、歌もいらない、お酒もいらないって)
そんな、手札ももうない、一室で、
柳宿は、前に座っている、星宿様に問いかける。
「あのぉ、星宿様?今晩、あたしは、なにをすれば─────?」
続