☆制服の恋人遊戯☆

□H☆制服の恋人遊戯☆
1ページ/1ページ

☆制服の恋人遊戯☆

H

あれは鬼宿が、この紅南の地に戻ってきた日の夜のこと。

(あら?)

辺りを見回す柳宿。

(あらららららら?)

ないとは思うが、寝台の下も覗き込み、
枕の下も、返して見てみる。

(衣装は?

用意し忘れたのかしら?
それとも、クリーニング中??)

2本の赤いリボンも見当たらない。

「………」

(今日はさすがに、あの衣装、見たくないか)

「………」

(もぉ、衣装、いーなら、いーって、前もって、ゆっといてよね!
コッチにも下ごしらえってものが……、ぶつぶつ)

(どーせ着替えるつもりで、部屋着できちゃったじゃない)

(あーあ、女装してくればよかったぁ)

「………」

(うーん)

「………」

(どーしましょう)

「………」

仕方がないので、男装のまま、

寝台にではなく、椅子に腰かけ、星宿様を待つ。

しばらくして、寝室にやってきた星宿様。

男装姿で、一対の椅子に腰かけている
柳宿を見ても、なにも言わなかった。

寝台にではなく、空いている方の椅子に腰を下ろす。

「あのぉ、星宿様、今日は、ご衣装はぁ?」

「………」

「あ♡」

ぱんっ、と、手の平を叩く柳宿。

「あたくしが、なにかご衣装、お持ちいたしましょうか?
なにかご希望があれば、言ってくださいましな♡」

もう一度、

「あ♡」

ぱんっ、と、手を叩く。

「全身タイトめな橙色の衣装に、
緋色の幅のある腰紐など、いかがでしょう♡

それでー、アタシがー、ボクっ娘の美人女怪盗でェ、

『今夜 月が真上にのぼったら
あなたのカラダをいただきにあがります♡』

って、書かれた予告状が、
寝台の上に乗ってるトコから始まるお遊び♡ みたいなッ♡」

「いや、よい」

(結構、いー設定だと思ったんだけど)

「では、アタシが、真紅の衣装を目深にかぶって、
寝台で寝たフリしている星宿様の元を訪れますので、
どうぞ、食べちゃってくださいな♡
あ♡ ぜーんぜんッ♡ アタシが食べちゃってもイイですわッ♡

それか、アタシが人魚姫でェ、
髪を下ろして、薄手の腰布だけ巻いて、こうしておりますので、
波の星宿様が、アタシを、こう、さらってェ─────」

「いや、衣装は、よい」

「あ、お歌でも、歌います?
笛は、チョット、確かに、アレでしたけどぉ、………おほほほほ。
歌は、十八番ですので♡
なにか、リクエスト、ありましたら♡

アムロチャン?アユ?欧陽菲菲??」

「いや、歌は、またにしよう」

「お酒に、お付き合い、いたしましょうか?
あたくし、お酒、強いんです♡

よく、
『意外だね。(見た目通り、)(か)弱そうに見えるのにね』って、殿方には、
言われそうになりそうなんですけど、そんなコト、ないんですのよ♡

白酒<パイチュウ>?白蘭地酒<ブランデー>?威士忌酒<ウィスキー>?」

「いや、よい」

「………」

(衣装もいらない、歌もいらない、お酒もいらないって)

そんな、手札ももうない、一室で、
柳宿は、前に座っている、星宿様に問いかける。

「あのぉ、星宿様?今晩、あたしは、なにをすれば─────?」



次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ