☆制服の恋人遊戯☆
□E☆制服の恋人遊戯☆
1ページ/1ページ
♡制服の恋人遊戯♡
E
いつもの衣装と髪型で、
いつものように寝台の上で、
キスされそうなったところで、
「と・こ・ろ・でー♡星宿様」
と、愛する人の唇を、人差し指で制して、柳宿は言う。
「今夜は、ちょこーっと、
趣向を凝らした、お遊戯を、してみませんこと?」
「………どのような?」
(お♡ 好感触)
いつもなら、凝った演出も、
派手な衣装の着こなしも、
過剰が過ぎるサービスも、NGなのに。
「例えばー♡
髪型を、ポニーテールにしてみるッ ♡
なーんて、いかがでしょう♡」
「………」
(あら?まさかの無反応?なんか、違ったかしらぁ?)
「あ、では、あたくしのコト、縛ってみますぅ?」
「………」
「あ、縛られる側がよろしければ、
あたくしにお任せくださいな♡
元後宮の妃の嗜みとして(?)、
痕が残らないよう、お縛り上げいたしますわ♡」
「………」
「蝋燭でしたら、熱くないものを─────」
「柳宿」
「はい♡」
ニッコリ、と、聖母のそれのように、
微笑みを、愛する人へ向ける柳宿。
「そちは、それでよいのか?」
「………」
「虚しくはならぬか?
心が自分にない者に、抱かれることに」
(もうハッキリおっしゃるようになったわねェ、星宿様。
まぁ、いいンだけどぉ。わかってるからぁ)
柳宿は、慌てず騒がず、
星宿様からはなれ、寝台から抜け出し、
つと、壁際の飾り台の上に置かれた
花瓶に活けられた繚乱な生花の前に立ち、
束の間、そっと花弁を撫で、
はらり、と、落ちた、その花弁が、
床に、散ったのを見届けてから、
愛する人の方へ、向き直った。
「そりゃ、あたくしも、陛下と同じ、人の子。
虚しさは、ありますわ。
それに、嫉妬心も、あります。
復讐心も、少々。
その虚しさに、泣くことも、あります。
あたくしが、ただのオンナの代わりの慰み者ならまだしも、
このアタシが、
愛する人が、想いを寄せる女性───……ってゆーか、
美朱の代わりだと分かった時は、正直、泣きましたわ。ええ。
ソイツを───……ってゆーか、
美朱を、絶っ対っ、許さないって思いましたし。
せっかく、後宮の本物の女たちより、
美しく生んでもらったのに、
こともあろうに、あんなちっぽけな───……ってゆーか、
美朱のフリをしてコトをするなんて、
両親に申し訳なくも思いました。ええ、ほんとうに」
「………」
「でもいーんです。あたしは」
「柳宿………」
「好きな人が求めるもの以外、
それ以外のことは、なにも望みません」
「─────そうか」
「ええ、なーんもッ♡」
にっこり、と、無償のそれを込めた、
微笑みを、愛する人へ投げかける柳宿。
「いいヤツだな、お前は……。
口は達者で、
あしらいは過剰で、
貞操観念は奔放で、
そして、いつも、ノリノリだ」
(ヤダッ♡ 褒められちゃった♡
美人な上、床上手なイイオンナだなんてッ♡
コレは、もう一押しねッ♡ )
「ええ♡ どうせなら愉しまないと。
人生、そう何度も何度も、
快楽を味わえるほど、長くありませんし、
時の流れは、花がいつまでも、
美しくいられようには、なってはおりませんわ」
にっこり、と、タレ目がちな大きな瞳を細め、笑う柳宿。
「お前の言うとおりだな、柳宿。美しい薔薇には棘がある」
フッ、と、憂いを帯びた瞳が、聖母本能をくすぐりまくる、
星宿様のキラースマイル。
(あ。星宿様が、アタシをその瞳映して、笑ってくれた♡
それだけで、柳宿、幸せッ♡)
キュン、と、ココロが、なりかける。
(コレは、─────イケる)
「と・こ・ろ・でー♡ 星宿様ッ♡
短い人生をより愉しむために、
ここはひとつ、お色直しは、いかがでしょう♡
必要なご衣装、小道具、備品、等々は、
あたくしがご用意いたしますわ♡
それでェ、
アタシがー、わるーい海賊に連れ去られた美しき娘で、
星宿様がー、その娘を助けにきた、孤高の海賊♡ みたいなッ♡」
「いや、衣装はそのままでいい」
「………」
「でも、縄は使おう。
とりあえず、戻ってきて、ココに四つん這いになりなさい」
仰せの通り、とりあえず、寝台に戻り、その上で四つん這いになる柳宿。
「………星宿様が、よろしいのであれば、ええ、あたしは、ほんと」
(今の流れ、ぜーーーーったい、脱・制服なると思ったのにぃ〜〜〜〜〜〜)
(なんで、縄だけ採用されるのよッ)
(美朱っ、ぜったーーーーーーい、許さないッ!!!)
続