☆制服の恋人遊戯☆

□E☆制服の恋人遊戯☆
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♡制服の恋人遊戯♡

E

いつもの衣装と髪型で、
いつものように寝台の上で、
キスされそうなったところで、

「と・こ・ろ・でー♡星宿様」

と、愛する人の唇を、人差し指で制して、柳宿は言う。

「今夜は、ちょこーっと、
趣向を凝らした、お遊戯を、してみませんこと?」

「………どのような?」

(お♡ 好感触)

いつもなら、凝った演出も、
派手な衣装の着こなしも、
過剰が過ぎるサービスも、NGなのに。

「例えばー♡
髪型を、ポニーテールにしてみるッ ♡
なーんて、いかがでしょう♡」

「………」

(あら?まさかの無反応?なんか、違ったかしらぁ?)

「あ、では、あたくしのコト、縛ってみますぅ?」

「………」

「あ、縛られる側がよろしければ、
あたくしにお任せくださいな♡

元後宮の妃の嗜みとして(?)、
痕が残らないよう、お縛り上げいたしますわ♡」

「………」

「蝋燭でしたら、熱くないものを─────」

「柳宿」

「はい♡」

ニッコリ、と、聖母のそれのように、
微笑みを、愛する人へ向ける柳宿。

「そちは、それでよいのか?」

「………」

「虚しくはならぬか?
心が自分にない者に、抱かれることに」

(もうハッキリおっしゃるようになったわねェ、星宿様。
まぁ、いいンだけどぉ。わかってるからぁ)

柳宿は、慌てず騒がず、
星宿様からはなれ、寝台から抜け出し、
つと、壁際の飾り台の上に置かれた
花瓶に活けられた繚乱な生花の前に立ち、
束の間、そっと花弁を撫で、
はらり、と、落ちた、その花弁が、
床に、散ったのを見届けてから、

愛する人の方へ、向き直った。

「そりゃ、あたくしも、陛下と同じ、人の子。

虚しさは、ありますわ。
それに、嫉妬心も、あります。
復讐心も、少々。

その虚しさに、泣くことも、あります。

あたくしが、ただのオンナの代わりの慰み者ならまだしも、
このアタシが、
愛する人が、想いを寄せる女性───……ってゆーか、
美朱の代わりだと分かった時は、正直、泣きましたわ。ええ。

ソイツを───……ってゆーか、
美朱を、絶っ対っ、許さないって思いましたし。

せっかく、後宮の本物の女たちより、
美しく生んでもらったのに、
こともあろうに、あんなちっぽけな───……ってゆーか、
美朱のフリをしてコトをするなんて、
両親に申し訳なくも思いました。ええ、ほんとうに」

「………」

「でもいーんです。あたしは」

「柳宿………」

「好きな人が求めるもの以外、
それ以外のことは、なにも望みません」

「─────そうか」

「ええ、なーんもッ♡」

にっこり、と、無償のそれを込めた、
微笑みを、愛する人へ投げかける柳宿。

「いいヤツだな、お前は……。

口は達者で、
あしらいは過剰で、
貞操観念は奔放で、

そして、いつも、ノリノリだ」

(ヤダッ♡ 褒められちゃった♡

美人な上、床上手なイイオンナだなんてッ♡

コレは、もう一押しねッ♡ )

「ええ♡ どうせなら愉しまないと。

人生、そう何度も何度も、
快楽を味わえるほど、長くありませんし、
時の流れは、花がいつまでも、
美しくいられようには、なってはおりませんわ」

にっこり、と、タレ目がちな大きな瞳を細め、笑う柳宿。

「お前の言うとおりだな、柳宿。美しい薔薇には棘がある」

フッ、と、憂いを帯びた瞳が、聖母本能をくすぐりまくる、
星宿様のキラースマイル。

(あ。星宿様が、アタシをその瞳映して、笑ってくれた♡
それだけで、柳宿、幸せッ♡)

キュン、と、ココロが、なりかける。

(コレは、─────イケる)

「と・こ・ろ・でー♡ 星宿様ッ♡

短い人生をより愉しむために、
ここはひとつ、お色直しは、いかがでしょう♡

必要なご衣装、小道具、備品、等々は、
あたくしがご用意いたしますわ♡

それでェ、
アタシがー、わるーい海賊に連れ去られた美しき娘で、
星宿様がー、その娘を助けにきた、孤高の海賊♡ みたいなッ♡」

「いや、衣装はそのままでいい」

「………」

「でも、縄は使おう。
とりあえず、戻ってきて、ココに四つん這いになりなさい」

仰せの通り、とりあえず、寝台に戻り、その上で四つん這いになる柳宿。

「………星宿様が、よろしいのであれば、ええ、あたしは、ほんと」

(今の流れ、ぜーーーーったい、脱・制服なると思ったのにぃ〜〜〜〜〜〜)

(なんで、縄だけ採用されるのよッ)

(美朱っ、ぜったーーーーーーい、許さないッ!!!)




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