☆制服の恋人遊戯☆

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♡制服の恋人遊戯♡

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とある日。宮廷にて。

「柳宿」

「はい♡」

「話がある。あとで、私の部屋に来てもらえぬか?」

「はい♡」

そう初めて部屋に呼ばれた時のことを、
柳宿は一生忘れない。

「遅いわっ!遅すぎるッ!!
星宿様ったら、あたしの魅力に気づくのがっ!!

今頃、アタシの魅力に気づくなんて!

美人でしとやかで慈愛あふれるイイ女が
こーんなに、おそばにいたことに!

ってゆーか、アタシ、後宮に一年もいたのよッ!?

遅すぎるッッ!!気づくのがっ!」

と、その遅さに、
呆れと嬉しさと、ばっちりメイクで、
いざ、星宿様の部屋に詣でてみると、
まだ、星宿様はいらっしゃらず、
寝台の上には、一式の衣装。

「?」

(なにこれ?)

手にし、広げてみる柳宿。

(変な服)

白色の、薄手のやたらと前ボタンのついた長袖の上物と、
その上に着るのか、茶系統の、厚みのある、袖の無い羽織と、
その上にさらに着るのか、共布の、袖のある羽織。

(なに、このやたらと、ヒダヒダの多い、腰布は?)

同じく共布の、やたらヒダヒダした、丈の短い腰布。

それに、青いリボン。

(これは、……首飾りかしら?ん?)

そして、2本の赤いリボン。

(これはなに?これで髪でも結えとでも?)

柳宿は、2本の赤いリボンを左右の指で摘まみ上げる。

(キラキラした紫水晶<アメジスト>の髪飾りのほーが、
魅力的なのに、アタシ。それに)

広げた服に目を見やる。

(この衣装だって、なーんか地味。
艶やかで華やかでゴージャスできらびやかなほーが、
魅力的なのっ、アタシ)

と、いうわけで、
柳宿はそれら一式を寝台の端にやり、
自前の、大きな紫水晶のゆれる髪飾りと、
絢爛豪華な瑠璃色に金帯の衣装で、
寝台の中央で、三つ指ついて待っていた。

そこへやってきた星宿様。

柳宿のそんな姿を一目見るなり、大きなため息を吐き、

「柳宿」

「はい?」

「もう少し、カンのよいオトコだと思っていたが」

と、もう一度、ダメ押しのため息を吐くと、

「もうよい。下がれ」

と、寝台の中央からいますぐ降りて、
部屋を出てゆくように命じ、

「はあ」

と、柳宿は返事にもならない返事をし、
寝台から降り、部屋を出ると、後ろ手に、
ぱたん、と、扉を閉められてしまった。


(ご機嫌を損ねちゃったみたい)


涙目で、とぼとぼと、宮殿の廊下をゆく柳宿。

そんな、柳宿の、紫水晶の髪飾りをゆらし、
瑠璃色の衣装に金帯の出で立ちを見た翼宿。

「お、柳宿、なんや、あっおい顔してぇ。アノ日かぁ?」

(ほんっと、デリカシーのない男ねェ)

殴る気も起きない。

「……そーよ。2日目よ」

(マ、マジでェ?!じゃ、じゃあ、しゃーないのぉ(?))



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