僕のヒーローアカデミア
□瀕死の際
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緑谷出久の場合ーー
敵掃討作戦の任務にあたった名前は、森の中で力無く横たわっていた。
あぁ、目が霞んできた。皆から離れたところで戦ってたから、暫く助けは来ないだろうし……私もここまでなのかなーー
「苗字さん!」
近くの茂みから飛び出てきたのは、共に任務にあたっていた緑谷だった。
「出久、君……どうして……?」
「苗字さんの配置された方角で大きい爆発があったのが見えて急いで来てみたんだ。プロヒーローも何人かこっちへ向かってる。敵の本拠地も制圧してーー」
名前の耳に届く緑谷の声はなんだか遠くに感じられ、意識も朦朧とし始めていた。血を多く流し過ぎたのだろう、怪我を負った腹部は既に感覚が無く痛みはない。微かな視界に映る緑谷は、名前の出血量に戸惑っているようだった。
名前は震える手を青ざめる緑谷の頬へ添え、微笑む。
笑ってーー
「っっ!……苗字さん、大丈夫だっ!僕が君を助ける」
緑谷は名前を抱えて走り出す。
あぁ、初めて知った。
君が笑顔で『大丈夫』って言うと、こんなにも安心するんだね。
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主人公、もちろん死んでません。