僕のヒーローアカデミア

□赤ずきんちゃん
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爆豪さん宅玄関先ーー

「あの……本当にありがとうございました」

爆豪さんに借りていた上着を返しながら赤ずきんちゃんはお礼を言います。

行きはあんなに長い時間に感じられたのに、帰りは一瞬だった……
爆豪さんとあんまりお話出来なかったな。

爆豪さんとの別れが口惜しい赤ずきんちゃんが悲しげに目を伏せると、爆豪さんが上着を受け取った手とは逆の手で赤ずきんちゃんの細い腕を掴みます。

「お前、こっから1人で帰るつもりかよ」

いきなりの事に顔を真っ赤にして狼狽える赤ずきんちゃんを引き寄せて家へ入れると、爆豪さんは玄関の扉を閉めてしまいました。

「あの……えと……」

自分の心音が爆豪さんに聞こえやしないかと不安に思った赤ずきんちゃんが目線を上げると、思いの外近くにあった爆豪さんの顔に、目にーー赤ずきんちゃんは魅入られてしまいました。

「あぁ、それから」

爆豪さんが赤ずきんちゃんの顔の横、玄関の扉に片手をつくと言います。

「ーー狼の話、ありゃ嘘だ。あんな天然記念物、この森にゃいねぇ」

「ぇ……?でも八百万さんも言っーー」

近づく爆豪さんの顔に驚き、赤ずきんちゃんは顔を俯けます。



確かに八百万さんは狼に気をつけてって言ってたーー



俯いた赤ずきんちゃんの顔の横で爆豪さんは囁きます。

「ああ、その狼ならーー」














森に住む狼は誰?






狼が舌舐めずりしたことに俯いた赤ずきんは気づかない


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