If stories
□If 世界会議へ編 1
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「数百年前に私の家で売り物の砂糖をつまみ食いしてたんですよね…ってオランダさん!?」
『わっ!?』
「なんや、日本、椿。」
オランダはおもむろに椿を自身の膝の上に座らせた。いつもの彼からはとても想像つかない姿だ。
椿も慌てて立とうとするががっちりホールドされて逃げられない。当の本人はいつも通り涼しげな顔をしており何も不思議なことはないような振る舞いをしている。
「ちょっ、オランダさん!?コミュニケーション過剰では!?」
「ほか?」
『おっおおおお離しください!私もう子供じゃなくてですね「知っとるわ。」
日本兄妹が慌てふためくのをよそに、オランダは悪ーい顔をしてみせた。もちろん、ドイツやロマーノに向けて。
そんなことをされた彼らが黙っているはずもなく。ガタッと立ち上がりスタスタとまっすぐ椿のもとに向かい、
「オランダ、椿が困っているのではないか?離すべきだと思うが。」
「おい、椿を離しやがれチューリップ野郎!…いや、オランダさん…」
しかしオランダは放すそぶりを見せない。
「嫌や。椿の定位置はここや。の?」
そして椿の頬に軽くキスしてみせた。会場のみんなに見せつけるように。
『はぅっ…』
「ああぁ椿さんが気絶を!!」
「オ、オランダと日本の妹ってそういう関係なのか…?」
「いえそんなことは無い筈です…!」
オランダの見せつけ攻撃により椿は羞恥のあまり気絶、会場は一気に二人がデキていると思い込んだようだ。日本とイタリアが必死に弁解するも効き目は薄い。
「なんや?おもっしぇえ顔しよって。…けなるいんか?」
オランダは気絶した椿を腕に抱いたまま固まるドイツとロマーノを挑発してみせた。
「オ…オランダお前ってやつは……!」 「俺の家のマフィン達よりタチ悪いぞ…コノヤロー…!!!」
ぐぬぬと言わんばかりに、対抗心をより一層燃やすのだった。
もしもオランダが椿のことをずっと離さないでいたら。ドイツとロマーノはオランダを敵認定するのだろう。