ヘタリア長編 その目で見つめて
□2 日伊同盟
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「やっぱりイタリアに来たらヴェネツィアだよね〜!」
こんにちは、日本です。いま、ヴェネツィアに来ています。
イタリア君のフィアットに乗せてもらい、スリリングなドライブを体験したのち、着いたのは美しい街でした。
正直ドライブ中にどうにかなってしまうのではとヒヤヒヤしていましたが、無事に着きまして安心しました。いえ本当に。
「イタリア…お前は運転をどうにかしてくれないか…。危なくて敵わん。」
「ヴェ〜…でもあの道で普通に走るほうが危ないよ。ドイツだって知ってるだろー」
この観光の目的は、みんな(主にドイツさん)の緊張をほぐすこと。
…ドライブのおかげでしょうか。いつものドイツさんに戻った気がします。
『日本さん…これがイタリアなんですね…すごく、疲れました…。精神的に。』
「ええ、私も初めは死ぬかと思ったものです…。しかし、ヴェネツィアに来たのです。楽しみましょうよ、ドイツさん?」
「ん…、ああ、そうだな。」
まだ緊張の色が見られますが、段々と平静を取り戻している様子。この作戦、成功でしょうか。
「じゃあ、グランドキャナル大運河に案内するよ。迷子にならないようについてきてね〜。」
『すごいですね…これがヴェネツィアンゴンドラですか。噂には聞いていましたが、やはり絵になりますね。』
「Grazie!ヴェネツィアは俺の家の中でも一押しの観光スポットだからねー。ドイツもお気に入りなんだよ!」
『そうなのですか?』
「ああ、まあ、美しいからな…。疲れた時は息抜きによく来ることにしている。」
よかった、ちゃんと会話をしています。
美しい風景の前ではドイツさんもリラックスしてくれるのですね…!
『それはすばらしいですね!イタリア観光、良い息抜きになりそうです。』
「そ、そうか。………………………………」
駄目です…。ドイツさんが褒められた(?)せいでまた威圧感が出てきてしまいました…。
「あ、じゃあさ〜、ゴンドラ乗ろうか!景色キレイだから乗ってもらいたいんだ〜!」
「ゴンドラか。良いな。」
『いいんですか?ありがとうございます!』
イタリア君、ナイスです。そんなふうに思っている私を知ってか知らずか、イタリア君がウインクをしてきました。
ありがとうございます、今度お食事でもしましょう…という気持ちを込めて、私はお辞儀をしました。
これがまさに、日伊同盟結託の瞬間でした。