戦国HETALIA
□プロローグ
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〜2019年 日本 東京 22時〜
ガヤガヤと賑わいを見せる一軒の和風家屋。ここは日本の別荘である。客人が来た時にはいつもここで対応しており、ご多分にもれず今回もそうだ。
今、別荘では多くの国たちが参加する宴会中である。今日は世界会議が東京で開かれたのだ。
世界中の国々が一堂に会し、活発な話し合い(物理)の後別荘でどんちゃん騒ぎをしよう!ということになって現在に至る。みんな酒が入り良い気分になってきていた。
「ヴェ・・・も、のめないよぉ・・・」
「なんだ?もう潰れたのかイタリア。」
「もうじゃないよ、2時間ぶっ通しで飲んでるじゃんか〜!」
顔を真っ赤にして潰れるイタリアと物凄い量の酒を飲んでいるはずなのに顔色ひとつ変えないドイツ。
「うわっ、なんだい君、そんな格好して恥ずかしくないのかい!?」
「んだよアメリカその口の利き方はよぉ・・・俺は大天使ブリタニアエンジェル様だぞ!?」
「そこの眉毛、悪事はそこまでよ!このマジストちゃんが月に代わってお仕置きよ☆」
「何やってんだてめぇ。」「いやこっちのセリフよ?」
悪酔いしてブリ天化したイギリス、便乗してマジストに変身したフランスを呆れながら見守るアメリカ。
「へーラトビアお酒強いんだねー!」
「は、はい!酔ったことがありません!」
「へー、じゃあウォッカ10本いってみようか!」
「むごふっ!」
「「ら、ラトビアああああっ!!」」
お酒に強いと豪語するラトビアにウォッカを笑顔で押し付けるロシア。それを見て震え上がるリトアニアとエストニア。しかしラトビアは存外平気そうである。
「むにゃむにゃ・・・ん〜もう食べられないある・・・」
「先生まじウケるんだけど。」
「ちょっと香港、駄目だヨ!ここはこうして、こうするのがいいんだヨ。」
寝ている中国にイタズラをする香港と台湾。なぜかいきいきとしている。
「ほらもっと飲みぃや!まだまだいけるやろ?」
「ちょ、スペインもう無理「飲まなあかんで?」
イタリア同様酔い潰れるロマーノと半ば強制的に酒を飲ませ続けるスペイン。
などなど現場がだんだんとカオスになりゆく中、ホスト国である日本は減りゆく酒を供給するため裏方に徹していた。
参加国が多いだけあって減る酒の量もものすごい。持って来られるだけたくさんの酒や肴などを慌てながら用意している。その顔は大変そうだが、盛り上がっているのが嬉しくて幸せそうでもあった。
この時はまだ、あんなことが起こるとは予想だにしていなかったのだ。