ヘタリア長編 その目で見つめて

□2 日伊同盟
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「あ、私たちはここのホテルに泊まりますので。イタリア君、ドイツさん、本日は本当にありがとうございました。」

イタリアの車に強く揺さぶられること約30分、日本と椿が今日泊まるというホテルに到着した。

「ゆっくり休んでね〜!後で日本に電話するからちゃんと出るんだぞ〜!」

「おい、お前じゃあるまいし、そんな注意しなくてもいいだろう。」

「ヴェ、確かに!」

そう言い残してイタリアとドイツは自分の家へ帰っていった。

『はあー、楽しかったですね!でも疲れました…。』

「あのお二人は昔からあんな調子でしてね…。一緒にいると本当に愉快なのです。」

チェックインを済ませ、部屋に向かう廊下を歩きつつ日本と椿は話をする。

『あの、私明日出かけてもいいでしょうか?』

「いいですけど、多分一人で出かけることになりますよ。どこか行きたい所があるのですか?」

『実はローマに行ってみたくて…。一人でも大丈夫ですよ。地図で調べていくので。』

「そうなのですか。ご一緒できず申し訳ないです。そういうわけなら気を付けて行ってきてくださいね。」

そう打ち合わせているうちに今日泊まる部屋の前に到着した。

『私は今日は疲れたのですぐに休みます。日本さんもあまり夜更かししないで休んでくださいね。』

「ありがとうございます。今後の日程については明日の朝、話し合いましょう。それでは、おやすみなさい。」

そしてそれぞれ今日泊まる部屋に入った。




∼side 日本∼

部屋に入ってすぐ、私はおふろへ入りました。
そして、湯船につかりながら今日あった出来事を頭の中で整理してみます。

1 椿さんが初の海外旅行
2 ドイツさんが椿さんに一目ぼれ
3 日伊同盟締結

…濃ゆい。今日一日でこんなに大きな出来事が立て続けに起こるとは、私も長生きしてみるものですね。
特に衝撃的だったのがドイツさんの一目ぼれでしょうか。まさか妹に一目ぼれするとは、さすがに予想外でしたね…。
しかしドイツさんはこれからどうするつもりなのでしょう。

そこまで考えて私はおふろから上がりました。
ちょうど、イタリア君から連絡が入っており、イタリア君、ドイツさん、そして私の3人でテレビ電話をすることになったのです。
きっとイタリア君の目的は、ドイツさんに椿さんのことをどう思っているのか聞くことでしょう。私だってそうです。
…今夜の日独伊テレビ会議は荒れそうです…。


∼side イタリア&ドイツ∼

日本と椿ちゃんをホテルに送ってった後、俺とドイツは二人っきりになったんだ。
ここで椿ちゃんのこと聞くべきかな?って迷ってたら、あいつの方から話をしてきて、ちょっとびっくりしちゃった。

「イ、イタリア。話があるのだが、良いだろうか。」

「なんだよ、今更バレバレだってばドイツ〜。椿ちゃんのことだろ?俺も日本も気づいてたよ!」

ドイツ、なんか意外!みたいな顔して驚いてたな…。ほんとそういうところ鈍いよね!

「な、なら話が早い。……ところで、日本は何か言っていただろうか…?」

「うん。なんか、『椿ちゃんが幸せになれるならば応援する』って言ってたよ。俺はもちろん応援するけどね!」

「……そうか。このことについては日本も交えて話し合ったほうがいいのか…。」

「お前が本気ならね。日本は本当に幸せになってもらいたいみたいだから、中途半端な気持ちで近づいたら駄目だからね!」

「…お前、本当にイタリアか?いつものヘタレさが見当たらないようだが。」

「何言ってるんだよ、俺はいつでもいい男だよ〜!」

そのあと、俺はドイツを送って家に帰ったんだ。日本も今頃は部屋にいるだろうし、これから3人でテレビ会議するんだ!
なんかわくわくするよね〜!
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