配線

□とある日の午前6時2分
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心地のようまどろみの中からゆっくりと意識が浮上する。自分の体が新しく形作られていくようなこの感覚が妾は嫌いじゃなかった。
薄く目を開くと畳が目に入る。質のいい布団の感触に昨日は乱歩さんの家に止まったんだか、と回らない頭の中で考えた。
社長が出張でいないからと家飲みに誘われて二人ともいい感じに酒にも雰囲気にも酔っ払ってここのところの連勤で疲れていたのに“そういうこと”をおっ始めようとしたところまでは覚えている。現に妾は今、生まれたままの姿だ。
「(何時だ…?)」
今日も仕事だ、着替えはまだ起きっぱなしだっけ、化粧品はバッグの中だから大丈夫、朝ごはんどうしようか、ようやく思考を始めた頭の中でこれからの予定を立てながら体を起こそうとした。
グチュ…。
「ヒッ…?!?!」
腹の奥に何かが当たる感触がした。気づかなかった、まだ寝ているな、とかどうでもいいことすぎて寧ろため息が出る。
兎に角抜かなければ何もできない。体をゆっくりと動かして、乱歩さんを起こさないように。
「…っ……は、ァ……//」
もう少し、もう一気に抜いて仕舞えばいいか、なんて思い至り、力を込めた時、彼の体が動いて体の動きを止められる。驚いて声を出す間も無く、腰が勢いよく叩きつけられた。
「ら、んぽひゃ、んぁ、は、////」
「おはよう、与謝野さん」
「まって///いま、あ、しゃ///」
「知ってるけど?」
ぐちゃぐちゃに中を掻き回されて、まともに言葉が紡げなくなる。一晩中入っていたお陰か、将又せいか、いきなりやられているのに痛みは感じず、快感だけが拾われる。
後ろから腰をぐっと引き寄せられ、距離が縮められる。それだけで中の棒が更に奥まで入ってきた。
「やらっ、らぁ、ん、っ///」
「気持ちいいでしょ?」
「イっ、はぁ///」
「こっち向いて」
首を回されて、やっと乱歩さんと目が合う。完全に目は覚めているようでいたずらっ子のような余裕のないような男の顔で笑っていた。わずかに漏れる朝日が彼の顔に影を作り、ただでさえ上がっている体温がもっと上昇した。
「口、開いててよ」
「う、ん///」
近づいてくる唇を受け入れれば熱い舌が好き勝手に暴れ回る。
上も下も乱歩さんに支配されてる感覚が、快感の大きな波を呼び起こした。
「(あつい…………)」
お腹の奥が彼が果て、出した欲で満たされていく。
まだ硬さを保ったままのモノを感じながら、朝日の眩しさに目を閉じた。
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