配線

□嫉妬させたのは
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「君が可愛いせいだよ」
まだ明るい昼下がりに椅子に体を押し付けられる。
眼鏡までかけて本気モードの乱歩さんに何をされているのか頭が追いつかない。2人分の体重に耐えきれなかった椅子がギッと嫌な音を立てた。
「ら、んぽさ((「黙って」」
「今日太宰と買い物に行った時ナンパされたらしいじゃないか。そこを太宰に恋人のフリで助けてもらったって?」
「あ、あれは不可抗力で…」
「言い訳は聞かない」
急くように口を塞がれる。普段の彼とは全く違う荒々しい接吻に息がつまるようだった。
本当に仕方のないことなのだ。百貨店で買い物途中に男に絡まれて、振り払おうとしたら太宰に手を引かれて気障ったらしい台詞で奴が追い払ってくれた、ただそれだけ。
そんなことに、この名探偵が嫉妬しているのか。
「そんなことじゃない」
「ふ、ぅ…」
「与謝野さんは僕のなんだ」
「ちょ…?!まだ昼だよ!誰か来たら((「誰もこないし、関係ない」」
腕をひとまとめにされて自分のネクタイで括られる。椅子から持ち上げられて、一番近くのベッドの上へと放り出された上に覆い被さられた。
「与謝野さんの肌って白いよね」
シャツの釦がゆっくりと外されながら乱歩さんの指が頬から首から鎖骨へと這わされて、思わず肩を揺らした。
「や、やめ…//っ…!!////」
「いいね、その顔」
いきなり鎖骨へと爪を立てられて、甘い痛みが走る。もう気が変になりそうだった。
「僕を嫉妬させた与謝野さんが悪いんだから、覚悟してね?」
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