dream


□新たな一歩
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ガタタタタッ…ガシャンッ



突如、大きな音をたてて屋根裏へと続く階段が
部屋の天井からすべり降りてくる

それは朝聞くには少し耳障りで
ある人物を待っていた二人を不快にさせるには充分なものだった。

彼らはすでに手遅れとわかりつつも耳を塞ぎ、顔を顰める。


そして、その音の元凶とも言える方へと視線を向けると
寝癖でボサボサ頭の、まるでライオンのような姿の彼女が下を向いてこちらを覗き込んでいた





「おは〜」




「おう、
ってかお前、なんだその頭は…」



「…なんていうか、アートティックだね。」



控えめにダリルが言うも
「ホームレスのがまだまともな頭だぜ」とメルルは両手を広げて
やれやれのポーズを繰り出す。

女として終わってんな…とメルルが言葉を口に出すも
言い終わる前に獅子頭の彼女から雷を落とされ彼は少しの間失神する。


ここでいう雷は…そのままの意味だ。






「…ってか二人とも今日早くない?
ダリルは私の寝坊仲間のはずでしょ?」



何裏切ってくれてるんですか?と彼女は眠そうに眼をこすりながらリュックまで背負い、準備万端の彼に不満をぶつける




「クレハと一緒にしないでよ。
ていうか君が自分で提案したことでしょ?」



そんなダリルの言葉に鼻水を豪快にティッシュでかみながら はて…?と彼女は少し考える。



「お前…まさか自分で言っておいて忘れてないよな?」



失神から復活したらしきメルルが会話に入り込むと、彼女は驚き
さすがハッピーボーイ!と彼に拍手を贈る。



「私の呪文を喰らってこんな早く復活するなんて、スコーピウス並みのタフさだね」



誰だよ…とツッコミたい二人だったが
壁に掛けてある時計をチラッと見ると、
約束の時間まで刻一刻と迫っている事に焦りを感じる。



「いいから早く支度しろよ、時間ねーぞ」



え、何を?と未だに惚ける彼女に
「お前は認知症か!」とメルルはツッコミを入れる。

昨夜の夕ご飯のメニューくらい覚えてるわい!とキレる彼女に「「そこじゃねぇよ!!」」と二人は声を揃える。




「ジェリーの登校に皆で付き添うって決めたじゃないか!もう間に合わないよ!」



ダリルの言葉を聞いてクレハはしまった…
という顔をする。



そうだった。

メルルだけ行かせたらジェリーのイジメッ子達を皆殺しにしかねないと
私達も付いていくことにしたのだった。




「先に下に行って待ってて!すぐ行く!」



「早くしろよ!」



二人が大きなため息を吐きながら階段を下りていく音をBGMに
彼女は急いで魔法で身支度を整える。




「気持ち、切り替えていかなきゃね」



ふんっ!と彼女は両手でガッツポーズをするも
下からは入れ過ぎた気合が溢れ出る。




「やべっ

屁ーこいちゃったわ」




ま、ダリルもメルルもいないからセーフセーフ…






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