dream


□英雄と牡鹿
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まるで牢屋にでもいるような気分になれ


ゴキブリのような生命力を自然と身に着けられ

しぶとく生きていく術を学べる










そんな素敵な学校はきっとここにしかない














まっ嫌味だけどね!









ここは魔法界でも知らぬ者はいないほど有名な

ホグワーツ魔法魔術学校

の、とある寮室である。



今は真夏日だというのに
日差しもまともに入らない
暗くてジメジメした地下室…


ホコリくさいこの部屋も
数年もいれば逆に居心地も良くなるような
ならないような…


うん、どう見てもゴキブリ扱いだよね。
はい、最悪



そう、ここは皆さんもご存じ

地下にあるスリザリン生専用の寮室であり


そして私はあいにくのスリザリン生でございます。



夏の休暇が近づくこの時期は
寮の談話室は休暇中のプランでキャッキャ騒ぐ生徒たちの楽しげな声で溢れている。


スリザリンの寮生は名家出身の生徒が比較的多く、そのせいか話の内容は
やれパーティーだの海外旅行だのどれもリッチな話ばかりだ。


私には限りなく無縁に近い話…


といっても特別私の家庭が貧乏であるわけでもなく名家とまではいかないが
実はそこそこ名の知れた家系だったりする。
(品がないのだけは認めるけどね!)



そんな私が休暇中、お誘いがないわけではない


むしろ友人である
あのマルフォイ家のおぼっちゃま

スコーピウスに自宅のパーチーにも誘われているし

あの【生き残った男の子】で有名
そして例のあの人を打ち砕き伝説となった
かの有名なハリーポッター様の実の息子


アルバスにもマグルの世界の巨大レジャー施設に誘われていた。

日本でいうサ●ーランドのような
巨大プールがある施設らしい。


ウォータースライダーがハリー様曰く、
バジリスク8匹分くらいの長さがあるらしい。

いや、そもそもバジリスクを見たことないから
理解不能なのですが。


と、まぁこんな感じでお誘いは日々受けるのだが
参加したくとも
私にはどうしても参加できない理由があった





それは…




いつもお世話になっている先生方からの

たくさんの たくさんの

ご褒美があるから!!!





ま、私が犯した数々の校則違反に対する
愛のムチという歪んだ愛情が生んだ
大量の課題と反省文という名の拷問でございますがね。

まじで刑務所か、ここは。



その量は夏休暇の提出課題の二倍の量を超えるというね。

いや、おかしいでしょこれ

これを終わらせることができたら私主席になれると思うのですが。



残りの量をチラッと見ても数分前とは全く変わっていなかった。

いや、目の錯覚かもしれないと諦めきれず
同室のキャシーの眼鏡を借りてみるもなにも変わらなかった。
(寧ろピントがぼけて量が増えた気がした)




「だっーーー!!!!終っわんない〜!!!」



クレハは自身のシンボルである自慢の艶やかな
黒いツインテールを指で弄びはじめ
枝毛を探しては裂いて現実逃避する。

これは昔からイライラするとついついやってしまうクセだ。


しかし、ヤバイよヤバイよと某お笑い芸人のマネをしながら嘆いてはいるが
心の中ではどこか少し余裕を持っていた。


実はすでに罰則の課題、反省文ともに半分は終わらせているのだった。



「フフフッ なんでかって?

このウィーズリー社製品の

【これで罰則も恐くない!反省文完全マニュアル】を完コピしたかr

「クレハーーーー!!!!!!」


ビクッ「うひぃぃ!!」


ゴトッ

「「あっ」」



バシャーーーーーーー


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