dream


□終わりとはじまり
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「え〜と・・・・

スマホにお菓子にお水

テント、寝袋、

アニメーガスの本に、缶詰、
インスタントの味噌汁・・・・」


あ!あとインクと羽ペンも持っていかなくちゃ!と慌ててリュックに詰め込んでいると
下の階から母の呼ぶ声がした。


「クレハ〜!!

支度はもう終わったの〜???

そろそろ出る時間よ!」



はーい!
今いくー!と急いでリュックを背負い

ルシールとお揃いのブレスレットを身に着けて

慌てて下で待つ両親の元へ行くと
父はまだ荷物を車に詰め込んでいるところだった。



「じゃあ、留守の間は頼んだわよツバキ」



「はい、かしこまりました!

お気をつけていってらっしゃいませ!」


可愛く 私にお任せください! と胸を張る
ツバキの頭をなでて挨拶を済ますと
まだ積み込んでいない大荷物を手伝いながら
私も車に乗り込む。



少しずつ離れていく我が家を見て


不安になる気持ちはどんどん膨らむ



大丈夫かな・・・・






私もうまくやれるといいけど…













そんな事を考えているうちに

あっという間に空港にたどり着いた。



ルシールをつい最近見送ったばかりの此処に
まさかまたすぐ来ることになるなんてね…



久しぶりの飛行機搭乗に私は戸惑いながらも
なんとか両親にサポートしてもらった


拡張魔法が掛けられたリュックの中をマグルに見られてしまうと危ないので
父がマグル用にダミーの魔法を掛けてくれたのだ。

これでマグルがリュックの中をチェックしても
中はただの一般的な旅行グッツにしか見えない。


一度検査で引き留められたが

父のサポートのお蔭でなんなくクリアすることができた。



そして私たちは
搭乗の時間まで少し余裕があったので
周りのお土産ショップを見て周ることにした。


私と母は現地の子供たちに日本のおもちゃをプレゼントしようと考え

けん玉、だるま落とし、笛、紙風船、折り紙…

あと去年妊婦さんがいたことから
赤ちゃん用にヨダレ掛けとでんでん太鼓を購入した。


父はというと・・・・
近くのショップで父がお邪魔する村の長へのお土産として東京バナナーンを買い込んでいた


先住民族に東京バナナーンッて・・・・


想像したらギャップに笑ってしまった。




もう少し色々と見ていたかったけど
機内に大量には荷物は持ち込めないためそれくらいにしてゲートに急ぐ。



チケットの再確認をしてもらったうえで
いよいよ飛行機に搭乗する。


はぁ〜緊張してきた。


墜落しませんよ〜に・・・・




私が久しぶりの飛行機に戸惑い
チケット片手にキョロキョロ席を探していると
母に『行き過ぎよ、クレハ』と腕を引かれる。


立っていると狭く感じていた機内だが
座ってみると意外と居心地よかった


座席がめっちゃふかふか!


緊張しすぎてお腹がすいたので早速
リュックからお菓子を取り出しボリボリ食べているとアナウンスが流れた




【皆様こんにちは。

本日も日本航空▲▲便をご利用下さいましてありがとうございます〜】



それから機長とCAさんの自己紹介から始まり

機内での長い注事項、業務連絡などを伝えた後

最後に機長からのジョークを交えた挨拶で
機内を笑いに沸かせ、それを合図に出発した




あぁ…なんだかあっという間だったな…

さよなら日本・・・・


もう後戻りはできないんだ
というなんともいえない気持ちと不安を抱えながら

四角く切り取られた空を横目に


私は手元にある
アニメーガスの本に集中することにした。







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